完璧主義より完結主義をめざす

このエントリーをはてなブックマークに追加

「ビジネスマンの守る技術⑥」

 

あなたは、今、会社に残り、報告書の作成に取り組んでいる。
あともう少しで完成だ。
もう一度、全体の構成を見直してみる。「いまひとつだな」と思う箇所を修正していく。
同時に、文字ずれも気になる。こっちの文字をそろえたかと思うと、違う箇所の文字ずれが生じたりする。
そんな作業をしているときに、ふと壁にかかった時計に目が留まる。
時計の針はとんでもない時刻を指している………。

 

こうしたことは誰もが経験していることである。
なにか、学生時代を思い出す。
勉強ができた人なら経験していることだが、90点くらい取れればいいなと思う人と、100点をめざす人とは、試験勉強に割く時間がまったく違う。
たかが10点の差であるが、されど10点の差なのである。
そして、90点を獲得するまでに割く時間よりも、それから先の10点に割く時間の方が多いということはなかっただろうか。
経済学でいう「限界効用逓減の法則」に似ている。
そして、先の例のように、文字ずれ等の細部が気になって気になって仕方がない人は、きっと学生時代に100点志向型の人であったと思うのである。
もちろん、100点をめざす、完璧な書類を作り上げるということは、すばらしいことであり、称賛されることあれ非難される筋合いでないことは言うまでもない。
しかし、それにより、毎日毎日、遅くまで会社に残り、身も心も疲れ果てているなら、やはり問題なのである。
考えなくてはならない問題なのである。

 

この問題の結論から言う。
ビジネスの世界では、だいたいができていれば○である。
確かに完璧な書類作成や仕事ぶりは、きっと賞賛され、あなたの仕事に向かう姿勢、緻密さが評価されることは間違いない。
また、「こいつに頼めば、安心だな」という信頼感も得られることも間違いない。
しかし、それ以上のものではない。
それよりも、今まで述べてきたように、「早くできたか」の方にウエイトがおかれる。

 

また、違う角度で考えてみれば、学生時代は、90点~100点の差は、確固とした基準があった。
正答数という動かざる基準である。
しかし、ビジネス現場では、確かに「これは、よくできた書類だ」と言うことはあるが、確固とした基準などないのである。
むしろ感覚によるところが多い。
だから、だいたいができていればいいのである。○なのである。
しかし、ここはことわっておきたいが、誤字脱字だけはダメである。
その検証ができていないということは、いい加減とみなされる。また、その矢先は、あなたの性格、品性にまで及んでしまうからである。
ここは、必ず、チェックしてもらいたい。

 

さて、ここからが重要である。
それでは、会社は、あなたになにを求めているのであろうか? ここをじっくりと考えてもらいたい。
色々な答えが出てきそうだが、長年サラリーマンを経験した私の答えは、「きっと、多くの仕事をしてもらうことを望んでいる」である。
これをかみ砕いて言うと、「いろいろな仕事」「給料を超える仕事」をこなすことを会社は求め、そしてそのための「効率的な仕事ぶり」「生産性」を求めているのではないだろうかと思うのである。

 

このことから、この問題を考えてみると、完璧な仕事をパッパとスピードを持ってさばけるなら、何の問題もない。
しかし、ほとんどの人は、そうはならないだろう。
完璧な仕事をめざすには、時間を要するだろう。
そうすると、他の仕事を行うことができない。ここが問題なのである。
会社が期待する「多くの仕事をやってもらいたい」という期待に添えないからである。

 

また、この問題を考えるときに、忘れてはならないことがある。
それは、1つの課題に対して完璧を期しているということは、他の課題や、やるべきことが停止していることになる。
そうすると、今まで述べたきたように、問題、課題を横に並べることになる。
そう、トラブルの元になるのである。
よく、「おれは、学生時代は勉強もできて、いい学校を卒業した。そのオレがなぜなんだ」とすっかり自信をなしている人がいる。
こうした人は、学生時代の自分を引きずる人に多い。
そうではないのだ! 自信をなくす前に考えてもらいたい。
学生時代とビジネスの現場とは違うのである。
ビジネスの現場では、さっさと課題から手を離す「手離れ」が必要なのである。
完結型の仕事のやり方が必要なのである。

 

そう、ビジネスの現場では、完璧主義よりも完結主義をめざすべきである。

 

 

ポイント
①ビジネスの現場では、だいたいができれいれば○である。
 あまり細部にこだわらない方がいい。
②会社はあなたに「多くの仕事をしてもらうこと」を望んでいる。
 早く一つの仕事に区切りをつけて、次の仕事に向かうことが重要である。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です