『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』

頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?

高橋 政史

かんき出版 2014-05-26

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本の表紙に、マッキンゼー、ボスコン(BCG)、東大合格生とあるように、この本はマッキンゼー系の経営コンサルタントがよく言う内容がふんだんに織り込まれているが、読者にとって非常に役に立つ本ではないかと思う。
外資系コンサルタントの言葉を使えば、まさに「ありそうでなかった本」ということになる。

 

この本に記載されているおすすめのノートの取りかたは、学生用、社会人用、プレゼン用とあるのだが、基本形は「黄金の3分割」である。
それは、マッキンゼーのコンサルタントが徹底して実践している「空=事実認識 雨=状況解釈 傘=行動・提案」に基づく3分割である。
確かにこのようにノートを取れば、思考が整理され、論点が浮き彫りとなることは間違いがないと思う。

 

著者が言うように、いままでノートの取りかたなど私も含め教わったことがない人がほとんどだろう。
まして、方眼ノートを使用し、方眼のマス目に沿って、見出しをつけたり、3分割するなどということは思いつきもしなかったと思う。

 

本全体を通して、「なるほど」と思う箇所が非常に多い。
その中で、私が、「あっ!」と思った箇所があるので、紹介しておきたい。
1つ目は、
これまでの
×「黒板を見る→ノートに書き写す」というやり方から、
◎「黒板を見る→頭の中のスクリーンに焼き付ける→黒板を見ずに頭の中のスクリーンに焼き付けた内容をノートに再現する」というやり方に変える。

という箇所である。
この本では、これを「一生モノの『記憶回路』をつくる眼の使い方」としている。
「早く知りたかった!」と率直に思った。
2つ目は、
「ノートのサイズは、思考のサイズ」です。と述べられている箇所である。
実は私の身の回りに、小さなノートに人が話している内容をこちょこちょと書く人がいる。
「よくそんな小さいノートに書けるな」と思うと同時に、「そんな人が話している内容を、よく書けるな」といつも思っていた。
この本を読んで、やはりその方式では無理があるのだということもわかった。

 

3つ目は、「自分にフィットする『ロジカル接続詞』を使う」という箇所である。
自分にフィットする、「整理すると、要するに、つまり、なぜなら、具体的には? それで? じつは、ポイントは、もし? あの人だったら」を使用すれば、自分のものになることは間違いないと思われる。
上記は、ノートを取るときのコツであるが、それと似たようなことを、漆原直行氏は、『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)』 の中で、ビジネス書を読むにもコツがあり、「ほうほう」「なるほど」「そうやね」「ん?」「そんなワケあるかい!」と合いの手を挟むようにして読むことをすすめている。
ノートを取る場合、そしてビジネス書を読む場合、どちらも効果抜群と思われるので、ぜひ、このHPの読者のみなさまに紹介しておきたい。

 

さて、いま一度、全体を通してこのHPの読者のみなさんと、この本の意味、役割を確認しておきたい。
方眼ノートを使用するということは、それは一つのツールを使用するということにほかならない。
しかし、このツールはなかなか優れもので、思考展開力を高めるだけでなく、論点を見極めることもできる。
このことは、非常にビジネスの世界でも有効に機能すると思うのである。
一方、方眼ノートは、あくまでも与えられた情報を整理するツールであることも忘れてはいけない。
すなわち、情報を取りにいかなければ何も生まれないし、ビジネスの世界では、ツールを利用しても行動に移さなければ何も生まれない。
ここのところだけは、共におさえておきたいところだと考えている。

 

最後にちょっと気になる点が2つある。
1つ目は、本中、外資系コンサルタントという名前が本当にこれでもかと出てくる。
(著者は決してそんなつもりはないと思うのだが)重要なことは、外資系コンサルタントが使っているのだからいいものではなく、いい手法を外資系コンサルタントが使っているのではないかと思うのである。
ここのところを混同してしまう読者も多いのではないかと思う。

2つ目は、私事になるけれど、私は、昔からノートを取るのが大変下手だった。
その理由は、学生時代には、黒板の書いたり消したりする速さについていけなかった。社会人となってからは、人の話は早くてとてもノートへの記入が追いつかなかったことによる。
その結果、私は、ノートを取るにしても、ほんの1、2行しか書かないで今日に至っている。
この本は、ノートを取れる人を前提にしているが、私のようにノートを取ることもままならない人が、現実問題、黄金の3分割など、その場では到底できないのである。
ここのアドバイスももらいたかったような気がするが、こういう人は私だけであろうか?

 

いずれにせよ、非常に役に立つ本と思うので、ぜひ、参考にしていただきたい。

 

 

 

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2014年7月19日