『売れる女性の営業力』

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売れる女性の営業力 リクルート『Hot Pepper』MVPセールスウーマンが教える 売れる女性の営業力 リクルート『Hot Pepper』MVPセールスウーマンが教える
太田 彩子

日本実業出版社 2009-08-27

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女性活躍が叫ばれている現在、「女性の営業力」について書かれた本がないかインターネットで検索したところ、すぐに見つかったのがこの本である。
そればかりでない。「女子 営業力」で検索すると、溢れるばかりの記事に出会える。そして著者の名とこの本は、いたるところに出てくるのである。
それほどこの分野では有名な著者と本と言うことだろう。
著者は早稲田大学法学部を卒業し、リクルートにて『Hot Pepper』の企画営業として活躍し、その後独立し(株)ベレフェクトを立ち上げている。

 

驚いたのはこの本の中身の凄さである。
本の表紙のイメージとは異なり、営業のエッセンスが「至れり尽くせり」記載されているのである。
そして、内容も実戦に裏付けられた「ほんまもの」である。
とても、やり手の営業マンでもできていない「営業の本質」が記載されているのである。
絶対に女性の営業力強化に役立つ本であると断言できる。

 

この本を一言で要約するとするならば本の帯の通り、「女性の6つの完成を活かす必ず成果を出せるノウハウ」ということになる。
ここを著者は本の中で、自分の体験から次のように語っている。
「男性営業も女性営業も、営業力に差はありません。女性としての強み、生来もつ感性をもっと全面に押し出せば、必ず成果につながることを理解してからは、これまでのスランプが嘘のように消えていきました」(P34)

 

この本がいかに凄いか、いかに本質を突いているかを紹介したい。
また実践で著者が学んだことが率直に記載されているので参考になる。

 

「自信のない営業マンが一番できていないのが、間のとり方です」(P72)

 

「相手が男性の場合、『少しの時間でいいので会ってください』と言うよりも、『10分でよいので私と会ってください』と数値情報を入れて言うほうが、より相手がイエスを言いやすい状況をつくり出すことが可能なのです」(P86)

 

「営業では不測の事態の連続です。いくら社内でロールプレイングを繰り返し、現場に飛び込んでも、研修で学んだこと以外のアドリブだらけの世界です」(P98)

 

「飛び込み営業やテレアポで、絶対にやってはいけないのは、『ここですべてを決めよう』とすることです。
つまり、欲張りな営業をしないということです」(P100)

 

「お客様には、あくまでも客観的な情報、つまり他社も含めたコストパフォーマンス例などを伝えるのです」(P103)

 

「商品説明はしない」(P108見出し)

 

「意外と多くの営業マンが、『定性的な期待感』はヒアリングできても、『定量的な期待値』をヒアリングできていないのです」(P120)

 

「多くの営業マンができていないのが、『ごめんなさい』と謝ることです」(P127)

 

「たとえば、商談中に相手がペンを持っていれば、自分もペンを持ったり、相手がコーヒーを飲み始めたら、自分もカップに手を伸ばしたりなど、マネっこをするのです。これも共感作用の一つで、『あなたの行為に同意するから私もそうした』という無意識の意思表示でもあるのです」(P133)

 

「お客様を上手に誘導しながら、自分の土俵で勝負していくというのが、『プレゼン女王』の腕の見せどころです」(P156)

 

「私は『but』の代わりに『and』を使って、あえて肯定系のままで会話を展開する『Yes,and方式』をおすすめします。
たとえば、『なるほど、そのとおりですね。それは□□ということでしょうか。であれば……』という具合です。(P158)

 

「過去の記憶は、ピーク時(その快楽・苦労がピークだったとき)や、最後の時間の感情で判断され、記憶が色づけられているのです(P160)

 

「商談では9割方、机を挟んで向かい合ことになりますが、もし座る位置関係を決められるのであれば、『ななめ』にすることをおすすめします(P163)

 

「プレゼン後のクロージングで圧倒的な差がつく!」(P166~)
<3つのポイント>
1.プレゼン時に宿題を持ち帰り、改善策でクロージング
2.プレゼン時に拾った追加の情報提供でクロージング
3.エモーショナルな気遣いと「心配しております」トークでクロージング

 

「営業活動のキモは、『継続的に受注し続けること』です」(P192)

 

「『作品事例集(実績集や営業事例集)をつくる」(P192~見出し)
「あるとき、私と上司とで商談に行きました。最初、お客様は上司の方向ばかりを向いて話をつづけました。部下として、とにかく聴きまくろうと思った私は、いつもよりも大げさに、うなずく角度を大きくしたのです。
すると、上司ばかりに目線を合わせていたお客様が私の方向を向いて話してくれるようになったのです」(P128~129)

 

そして、最後の結びがいいのである。
「仕事をしていれば、あらゆる環境、人間関係、社会情勢などで、私たちはいとも簡単に心を揺さぶられます。
しかし、プロのビジネスパーソンであれば、いついかなるときも、周囲に惑わされていはいけません。
毎日、自分は何のために、何を達成したくて、営業活動をしているのか。将来、自分はどうなりたいのか。それを明確にすれば、必ずブレなくなります。自分の価値基準が確立され、『迷わなくなる』のです」(「おわり」にから)

 

いかがでしたか?
少しは、この本のすごさと営業の本質部分に触れていただけたかと思います。
ちょっと、注目したいのは次の箇所です。
「私も昔、まずは自分知ってもらおうと、A4の紙1枚に『太田彩子プロフィール』を作成し、営業先にポスティングしまくりました。
……… 今から思うと心の底から恥ずかしいのですが、自分を売り込むことが、お客様の興味を引き、受注につながると信じ込んでいたのです」(P39)という話です。
これとほぼ逆の話が先日読んだ外資系コンサルタントが書いた本に記載されていました。
すなわち自分のプロフィールを作り、自分を知ってもらうという話です。
このようにビジネス書の世界では、ほぼ正反対のことが書かれていることが少なくありません。
どちらの説を選ぶかは読者が決めることだと思いますが、それは、どちらの本が自分に相応しいかという選択の問題でもあると考えています。

 

本全体を読み終えて痛感したのは、やはり実戦から学んだもの、つかんだものが、この本には詰まっています。
それが、著者をそして本自体のトーンを強くしているのではと思います。
正直、非常に高度な技術も書かれていますが、この本を何度も何度も手元に置き、読み返せば、必ず営業展開の参考になると思います。
そして、男性にも参考になることが盛りだくさんに載っていますので、ぜひ、お読みいただきたいと思います。

 

 

 

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