『他人をバカにしたがる男たち』

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他人をバカにしたがる男たち (日経プレミアシリーズ) 他人をバカにしたがる男たち (日経プレミアシリーズ)
河合 薫

日本経済新聞出版社 2017-08-09

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著者を、メルマガ「デキる男は尻がイイ 河合薫の『社会の窓』」を配信している人と言えば、ビンと来る読者の方は多いと思う。
著者の専門分野は「人と環境の関わりにスポットをあてる」健康社会学であり、その観点から「他人をバカにしたがる男たち」を分析している。

 

この本の核心には、SOC(Sence of Coherence)という言葉がある。
英語には、驚くことに「首尾一貫性」という単語があり、それがcoherenceである。
著者は、SOCをかみ砕いて下記のように表現している。
「人生であまねく存在する困難や危機に対処し、人生を通じて元気でいられるように作用する人間のポジティブな心理的機能」
「生きてりゃしんどいこともあるよ。それはそれとして、明るく生きようぜ!」

 

いわば、環境適応力のようなものだが、その環境適応力が上手く働かない人は多い。
たとえば、サラリーマン社会には、思うように昇進・出世がかなわなかったり、先が見えてしまう人がいる。
そうなったら、そんな環境に自分を合わせなければならないのに、いつまでも、自分の存在意義ともいえる「拠り所」にすがりついている人が多い。

 

そんな人が、人を見下したり、バカにしたり、攻撃する……。
著者は、それは、「『自尊心』を守りたいからだ」という。
この裏側には「他者から評価されたい。認められたい」という自己愛が存在し、自分の市場価値を見せしめるために、ときに偉ぶり、ときに正義を振りかざし、「自分の強さ」を誇示するという。

 

 

SOCを高めるには、環境が個人に与える力というものを考えてみる必要がある。

 

(本より抜粋)

外的な力(=外的資源)

・高い社会的評価(=収入、学歴、役職など)
・自由に決められる管理(=裁量権)
・人を動かす権利(=権力)
・能力を発揮する機会
・大切な人
・サポートしてくれる人(=他人力)
・お金や住居
・衣類・食事
などの、社会的資源や物理的な資源

 

内的な力(=内的資源)

・自己受容(=自分を積極的に受け入れることができる)
・自律性(=自分の行動や考え方を自己決定できる)
・人格的成長(=自分の可能性を信じることができる)
・人生における目的(=どんな人生を送りたいがはっきりしている)
・環境制御(=どんな環境でもなんとかやっていけるという確信)
・積極的な他者関係(=あたたかくて信頼できる人間関係を築いているという確信)
といった認知的な資源に加え、遺伝的体質や気質も含まれる。

 

この本では、外的な力、内的な力をリソース(資源)と読んでいるが、自分の拠り所、存在意義,、あるいは頑張れる力の素になるものと考えてもいいと思う。

 

 

どうだろうか?
サラリーマンなら役職定年も定年もあるから、必然的に環境は変化する。
しかし、いつまでも自分の拠り所を社会的評価や権力に置いていると、不平不満どころか、常にイライラ感もつきまとうのではないだろうか。

 

著者は、「自分の人生にとって重要であることとそうでないことの境目」のことを「境界線」と読んでいる。
そして、「自分の本意でない環境に身を置くことになっても、他者の評価や社会の価値観ではなく、自分の絶対的価値を信じ、大切なものとそうでないもののすみわけをする。その作業さえ怠らなければ、無用な不安を感じることはありません。不安の反対は安心ではなく、前を向くこと。一歩踏み出すこと。その背中を押すのが境界内の『大切なもの』なのです」と述べている。

 

この最後の「境界内の『大切なもの』という言葉が非常に重要だと思う。
環境も変化するのだから、自分の「境界線」を固定しないで、境界線から出したり、入れたりすることが、環境に合った生き方だと思うからだ。

 

 

本の目次

 

プロローグ 「ジジイ」化する男女

第1章 「労害はどこから発生するか」
他人をバカにする「ジジイ」と「粘土層」

第2章 勝ち負けが気になる心理
社会的評価という魔物

第3章 「偉そうなオジさん」はなぜ存在するのか
見下し行動にひそむ不安

第4章 女をバカにする男たち
組織にみる性差のジレンマ

第5章 しかし、オジさんたちが日本を救う
「個の確率」という幻想の向こうへ

終章 オジさんオバさんが輝く社会のために
フェイクSOCからやる気SOCへ

 

 

 
他人をバカにしたがる男たち (日経プレミアシリーズ)

 

 

 

 

 
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