『仕事のヒント』 

仕事のヒント

神田 昌典

フォレスト出版 2005-09-21

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ぜひにというよりは、絶対に薦めたい本である。
100冊のビジネス書を読むよりは、この1冊を読めば、会社経営者そしてビジネスマンは、「そういうことだったのか」と今までくすぶり続けていたものが氷解するだろう。

 

神田昌典氏と言えば、今、書店に並べられている『禁断のセールスコピーライティング』 あるいは、『不変のマーケティング』 の著者である。
また、同氏の『非常識な成功法則【新装版】』 、そしてビジネス書界ではピンク本と呼ばれている『あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ』などの著書は有名である。
私も、同氏の代表的な本は読んでいるが、同氏の本の魅力は、もったいぶった言い回しをせずに、ズバリと本質を言い切るところである。
そして、読んでいて実に痛快なのである。内容も明快なのである。
同氏は、アメリカの大学院、大学で経済学修士、経営学修士(MBA)を取り、経営コンサルティング勤務という経歴を持っているが、そんなことは、おくびにも出さないのである。
すぐに「外資系コンサルタントでは………、こういうときは、外資系コンサルタント………」と著書の中で言いまくる人とは、大違いである。
今回紹介する『仕事のヒント』の中でも、そんな自分の経歴を披露する箇所は1箇所もなかった。

 

さて、この『仕事のヒント』は、かなり変わった本である。
1ページに1つ、仕事のヒントが真ん中にドーンと載っている。
つまり、ページは空白だらけということだ。
そして、ページの下の部分に数行の解説が載っている。
このヒントが150ある。それだけの本である。
まるで、聖書の一節一節を日曜学校の都度、牧師から教わっているという感じである。

 

私も最初は、面食らったが、これがいいのである。
1ページ1ページ、すなわち1ヒントごと、本質の重みというものがある。
この本の前袖に、「実践に裏付けられた数々のヒント」とあるが、これは、やはり実践と言うよりは、実戦を経験した人でないと書けない。
神田昌典氏は、「顧客獲得実践会」を展開したことでも知られている。4,000社を超える中小企業の経営者とビジネスに真向いし、得た結晶なのだろう。
その試行錯誤、足跡、努力、汗……といったものが、溢れんばかりに詰まっている。
実戦の重みであり、本質の重みでもある。
この150のヒントすべて重要であるが、このうちの1つだけでも実践したならば、必ず成果に結びつくだろう。
そんな中で、私が、これだ! と思ったヒントを参考までに掲載したい。

 

[原因思考の罪]

問題が起こったとき
「なぜ」と質問をすると、
組織における
より大きな問題の引き金を引く。(P107)

 

[実践と、目標の明確化を]

実践すると目標が明確になる。
目標を明確にすると実践しやすくなる。
「実践」と「目標の明確化」は両輪だ。

解説「………つまり小さな行動を起こした瞬間から、目標が一層明確化され、成功は現実化に向かう」(P126)

 

[成功者とは]

自分にしかできないことに
立ち向かって生きる人を、
「成功者」という。(P153)

 

どうだろう? 世のビジネスコンサルタントが書いた本とは大違いではないだろうか。
特に[原因思考の罪]を見てもらいたい。
これは、組織というものをよく知った人でないと書けない。
マッキンゼーでは、「なぜ、なぜ、なぜ……」を5回繰り返すというが、これをそのまま組織で行うと、どういうことになるかを言っている。
本書の解説は、こう言っている。
「原因追及は、過去を掘り返すことになり、意図せず担当者の批判につながることが多い。その結果、チームワークが崩れるという『組織の病気』を引き起こす。クレームや問題が起きたときは、原因を追求する『原因思考』ではなく、得たい結果に焦点を合わせる『結果思考』をしてみよう」
外資系コンサルタントが言っていることを十分に咀嚼せず、そのまま、現実の世界にあてはめると、このようなことが起きかねないので注意が必要である。

 

[実践と目標の明確化を]も、まったくその通りである。この解説の小さな行動を起こしたとき………のくだりが重要である。
これも実戦を経験した人でないと書けない。
要は、ものごと、なにかやらないと始まらないのである。この立ち上がる行動というものが実社会では極めて大事である。
そして着手して初めてわかることもあるのである。
(この点は、拙著『サラリーマンの本質』の第一議題「『取りかかり』の早さこそ重要(P43~) を参考にしてください)

 

最後に、[成功者とは]をご覧になって、みなさん、どう思われますか?
世の中には、一流の人は、こうしてる、こういう服装をしているという本が溢れています。
そして、一流の大学を出たり、MBAを取ったり、一流の企業に勤めて出世し高い年収を得ることが成功者のように思われています。
本当にそうでしょうか?
なにか、この「自分にしかできないことに立ち向かって生きる人を、『成功者』という」を見て、ほっとしませんか?
私も、まったくその通りだと思います。
世の中で言われていることが成功者だとしたら、それほどつまらないものはありません。そして、それほど単純なものではないはずです。
みなさんは、どう思われますか?
ぜひ、この本を読んでいただきたいと思います。

 

 

 

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2014年8月31日