『カイジ「勝つべくして勝つ!」働き方の話』

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カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話 カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話
木暮太一

サンマーク出版 2013-11-28

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カイジシリーズ第2弾である。
また、読んでしまった!というのが本音である。
第1弾は、「お金の話」だったが、今回は「働き方の話」である。
カイジシリーズの最大の魅力は、「えっ? そういうことなの?」という驚き、あるいは薄々気づいていたことに「やはり、そういうことだったんだ!」という妙な納得感を覚えるところにある。
それは、「学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があった」著者の力に負うところが大きい。
しかも、著者は経済入門作家であり、経済ジャーナリストであるために経済学の裏付けがあるからである。

 

まず、「そういうことだったんだ!」という箇所を掲示したい。

 

「経済学は『希少性』から出発した学問です。すべてのものは有限なので、できるだけ有効に使わなければいけない、ではどうすれば時間、お金、地球資源、その他の資源を最大限有効に使えるだろうか? それを分析するために経済学はあります。
もし、この希少性を意識しなかったら、人は『大切にしよう、有効に使おう』と考えなくなります。
『生き方』も同じです。………」(P29)

 

「経済学には、『有効需要』という考え方があります。ひとくちに需要といっても、じつは2種類あります。ひとつは、『いいなぁ。いつかほしいなぁ』という願望に近い需要。そしてもうひとつは、自分のお財布と相談したうえで『ほしい、買える、買おう』と思っている需要、つまりちゃんと買うためのお金を持ったうえで『ほしい』といっている需要です。
後者を経済学で『有効需要』と呼びます。この需要こそが『有効』で、考慮するに値する、相手にすべき需要ということです。」(P46)

 

「体感がなければ、何も身につかない」から
「ビジネス書を読んで内容を理解しても、それは単なる『わかったつもり』です。
ビジネス書を読んでもそれだけでは仕事のできる人にはなれません。それは行動に移していないからです。頭で理屈を知っても、実際にやってみると随分違います」(P50~)

 

「『それは俺のやる仕事じゃない』という人が、”余る”」(P64~)

 

「価格の相場を決めるのは『労力』、そこから価格を上下させるのが『メリット』」(P81~)

 

「この資本主義の原理原則は、個人の評価に置き換えて考えることができます。より高い評価を得られるのは、他人を寄せつけないほどの『圧倒的な積み上げ』、もしくは他人とは違う『独自路線の積み上げ』です」(P92)

 

「ブラック企業は、ブラック消費者が作り出す」(P103~)
「………この問題を引き起こしたのは経営者の問題だけではないのです。居酒屋チェーンの社員が過労で亡くなったのは、『もっともっと安くしてほしい』『安くないと行かない』という消費者が大勢いたからではないでしょうか?」(P108)

 

「”一生懸命な人”がはまる『ホールドアップ問題』の罠」から
「交渉の場においては、選択肢が多いほうが有利です。逆に、自分には他に選択肢がない場合、相手の条件を飲まざるを得ず、必然的に不利な立場に追いやられてしまいます。経済学でいう『ホールドアップ問題』もこのひとつです」(P112)

 

「評価に直結する”自主レン”を選べ」から
「ビジネス書を読んでも優秀なビジネスパーソンになれない、というのは、それが自主レンになっていないからです」(P166~)

 

「評価基準は、自分で決めるな」(P200~)

 

どうだろうか?
みんな、「そういうことだったのか!」と思う内容ばかりではないだろうか。
ズシリと身に染みる言葉ではないだろうか。
実は、私は恥ずかしながら「有効需要」という言葉の意味を今まではき違えていたようだ。
それはニューディール政策とこんがらがっていた。ニューディール政策の中に、TVA(テネシー川流域開発公社〉などの公共事業があることから、需要を掘り起こすことだと思っていた。
しかし、調べてみると確かに「金銭的支出を伴った需要」とある。思い込みというものは怖いと思った。

 

さて、紹介した言葉の中で、ビジネスマンに特に関係する言葉は、「体感がなければ、何も身につかない」「評価に直結する”自主レン”を選べ」「評価基準は、自分で決めるな」ではないだろうか?
特に「評価に直結する”自主レン”を選べ」は、私が思うところと一緒である。
ビジネスマンはビジネス書を特に気に留めず片っ端から読んでいくが、「今の自分」が必要としているビジネス書を読んでいるかは、あやしいのである。
いや、むしろ、今の自分の状況とは関係ないビジネス書を読んでいる可能性が高い。
これでは、なかなか読んでいる当人の思惑通りにならないだろうなと常々思っていたところである。

 

その他に「『プロセス』と『結果』どちらが大事かという永遠の論争」(P43~)も書かれている。
これは、日本のどの会社のどの職場でも真剣に議論され、いまだに解にたどり着いていないのではないか。
それを著書は、ズバッとこの問題に決着をつけているのである。参考にしてもらいたい。
(当HPでも「結果重視かプロセス重視か」というブログを書いているのであわせて参考にしてもらいたい)

 

 

この本の全体感を言うと、前作『カイジ「命より重い! 」お金の話』が「お金の話」だけにテーマも絞れていた。
今回のテーマは「働き方」だけにテーマがかなり広くなっている。
それだけに、ちょっと、前作に比べ説教じみた感じにはなっている。
しかし、内容的には前作に勝るとも劣らないので、ぜひ読んでもらいたいと思っている。
このシリーズの魅力を堪能してもらいたいと思っている。

 

 

 

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