『サラリーマンの本質』 

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サラリーマンの本質 サラリーマンの本質
綾小路 亜也

文芸社 2014-01-01

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北星学園大学副学長 濱保久 教授の書評

我が国において企業内部での知識や技術の伝達、教育は集合研修やOJTである程度は達成されているかもしれない
しかし、仕事を片付ける上でのちょっとしたコツや裏ワザあるいは教訓については誰に教えられるわけでもなく、個々人が試行錯誤の結果として身につけてきたものであることが多い。


ところがほとんどの場合、それらの貴重な財産は職場に蓄積されることなく、したがって1代限りのノウハウとして霧散を繰り返してきたのである。


本書で紹介されている小技の数々は上から目線の仰々し物ではなく、普通の(しかし有能な)サラリーマンを
35年間続けてきた著者から後輩への置き土産であるとも言える。


一昔前ならば上司や先輩が飲みにケーションの場でかわいい後輩に直接伝える機会があったかもしれないが、今は違う。飲みに誘った翌日に、その時間を残業時間として申請してくる時代である。

 

そのような時代であればこそ本書のもつ意味は大きく、日々悩み、あるいは悩みもせず非効率な仕事を続けている若いサラリーマンの福音となるに違いない。


また、本書はいわゆるダメ中堅社員やダメ管理職の「あるある話」を単に面白おかしく紹介しているのみならず、 冷静な視点からの分析を試みている。


そういった意味において中堅社員や管理職にとってもハッとさせられる読み物に仕上がっている。

 

(参考)濱保久氏の経歴
同志社大学大学院文学研究科心理学専攻修士過程、博士課程を経て、北海道大学文学部助手。
その後、北星学園大学助教授、教授を経て、2006年文学部長。2013年より副学長。
研究分野:社会心理学(キーワード:コミュニケーション)「感情心理学への招待」(共著)
「産業心理学への招待」(共著)「現代心理学の基礎と応用」(共著)「京都人が北海道に住みついたワケ」等多数

 


 玉川大学 リベラルアーツ学部 平林壮郎 准教授
      (元毎日新聞社企画推進部長)の書評
 
圧倒的多くのお父さんたちは「サラリーマンとしての人生」を生きる。
企業という組織の中で、嘆き、怒り、喜び、誇りと絶望を味わいながら、黙々と自分と家族の生活を支えている。


これまでのビジネス本は、筆者も言うように、功なり名を遂げた成功者がご高説をたれる本が圧倒的だった。
この本はその意味で異色だ。


「楽あれば楽あり、苦あれば苦あり」、「手離れを早く」、「溺れる者は藁をも離すな」、「Aグループ、Bグループ、Cグループの存在」など、35年間に及ぶ筆者のサラリーマン生活の思いとユニークな分析が詰まっている。


こだわっているのは、どうしてうまくいかないことが多いのかという現場の視点。
その原因と具体的対策も明快で、「なるほど、そうだよなぁ」とうなずく現役サラリーマンは何人いるだろう。


自信を無くしてお先真っ暗なサラリーマンだけでなく、出世の階段を上ってると自信満々のサラリーマンにも一読を勧めたい。
「サラリーマンの本質」について、いま一度考えさせられる本だ。

 

(参考)平林壮郎氏の経歴
《著書 「政治を見抜く眼」市民・学生のための政治ノート(日本地域社会研究所)》より抜粋
毎日新聞社にて政治部編集委員、世論調査室長、紙面審査委員会委員、企画推進部長を歴任。
その間、立教大学、埼玉大学で「現代政治論」や「メディア論」の講義を持ち、政治とメディアの関係について教える。「教育評論」「週刊金曜日」などで政治コラムを執筆。

 

 

出版社書評

 

・「現場の視点、現場の解決法は、もっと違うところに存在している」とあるように、これまでとは異なるアプローチによってサラリーマンのあるべき姿を示そうと試みている。

 

評論家でも、アナリストでも、ジャーナリストでもない、現場の第一線に立つ著者だからこその本音がここには綴られている。
机上の空論ではなく、現場では今どういったことが求められているのかを示したところに世のサラリーマン諸氏はシンパシー覚えるはずである。

 

なかなか成果が上がらず悩んでいる人であれば、まずは本書をひもとくのがいいだろう。

 

・『第一議題 「ピンチのあとにピンチが来る」組織の考察』では、組織の「体質」から本質論を展開。
あらゆる問題や課題を同時並行的に取り組む「問題並列解決型」ゆえの組織的問題点を指摘する。

 

この問題を解消するには、やさしい課題や問題から手っ取り早く解決していく「手離れ」の手法が効果的だと提唱している。

 

・続く『第二議題 現場へのアドバイスは三つのみ』では「手離れ」を実行するに際しての実践的アドバイスが盛り込まれている。

 

ビジネスレターを素早く書くコツ、直面する仕事の真意を的確にくみ取れるような問題文の読み方、そして最悪の事態を避ける術の確立の3点である。
それらの指摘は、組織と個人との関わり合いにおける「体質改善」のための有益なアドバイスと言えるだろう。

 

これらアドバイスというのは「組織や人の体質といったものにスポットを当て、そこから解決策を探るという趣旨」のもとに、すなわち組織や個人の体質を分析することで得られたものだ。

 

・『第5議題 サラリーマンの悲劇』における『懐疑的な自己評価』こそが、進歩の始まりなのである」との指摘は目からうろこが落ちるようであった。

 

つまり、自分と他人との能力の差を客観的に測定できるかどうかで能力の選別がなされ、会社内での地位や立場が決定されるということである。
これに気づくか気づかないかの差はあまりにも大きい。

 

・続く『第六議題 営業の本質』では営業の本質が深く掘り下げられる。
著者の理想とする営業のありかたとは「連想力」を鍛えつつ、それをフルに発揮するかたちで取引先のすそ野拡大を図ることであり、顧客との現状取引を見直すことでこれをさらに太くすることである。

 

さらに、「間違った営業指導」として、新規開拓の意味のはき違えや、可能性の薄くなった既存顧客にしがみついてしまうことで「玉離れ」の意識を持てずに見込み違いを生じさせてしまう点を指摘する。

 

・加えて、終章では「滅私奉公の精神で今の会社にしがみつくことばかり考えずに、たとえば趣味や特技といった他の方法でも『飯を食べていける』道を模索するのも大切ではなかろうか」との大胆な提言をしている。

 

どこをとってもユニークな一作といえるだろう。

 

目次参照

 

その他多数の書評が寄せられています。
詳細は 『サラリーマンの本質』書評1 を参照下さい。

 

 

 

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