『「有名人になる」ということ』

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)

勝間 和代

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-04-28

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この本は紹介すべきかどうか迷った本である。
それは、いかにもタイトルが勝間和代氏らしい本であり、同氏のこうした面を好きな人もいる一方、嫌いな人がいるからだ。
嫌いな人は、多分同氏のこうした自信たっぷりな面がいやなのだろう。
しかし、考えてみると、これほどまでに自分の歩んできた道、内面をさらけ出す人はいない。
考え方次第だが、その意味で非常に良心的な人だと私は思うのである。
それは、この本を読めばわかるが、同氏が「人に役立つこと」をたえず考え、行動原理にしているからだと思う。
そして、この本を紹介する大きな理由がある。ーそれは、もし、みなさんの中にこれから起業をしたいという人がいるならば、この本は非常に役に立つと思うからである。
また、ビジネスパーソンにも十分に参考になる方法論が詰まっているからである。

 

私が驚いたのは、著者は「有名人になる」ことを目的として活動していたということである。
それを著者は「有名人になる」プロジェクトと言い、2008年5月にスタートしたとしている。
そして、2009年末の「紅白歌合戦」に審査員として出場、2010年3月の「金スマ」での特集により第一フェーズが終了したとしている。
この区切りは、よくわかる気がする。それは、最近ではあの『聞く力』の阿川佐和子氏が「紅白歌合戦」の審査員として出場していたことを思い出すからである。これが「有名人になった」というシンボルなのだろう。
ともかくも2008年から著者は非常に短期間で有名人になったということを知った。

 

さて、本の中身だが、まず次の記述を見ていただきたい。
「その方法論は、ひとことで言えば、自分をある商品ととらえて、その特徴を把握し、どのセグメントのどの顧客であれば受け入れられるのか、そして、どのチャネルを使ってどのようにアプローチすれば売れるのか、その仮説をつくり、PDCA(Plan 計画→Do 実行→Check 検証→Action 改善)サイクルを回して実行する、その繰り返しです。つまり、通常のビジネスと同じです」(P62-63)

 

これが、この本の方法論である。
著者自身がマッキンゼー出身者であるからことからかもしれないが、「今はやりの外資系コンサルタントのビジネス書の中身とまったく変わらない」と思う人も多いはずだ。
しかし、著者は「有名人になる」方法論だと言っているのである。
そして、この本の魅力は、この方法論につけ足す言葉である。
これから起業しよう、あるいはビジネスに活かそうとしている人には参考になるので、確認していただきたい。

 

「……どんな形であれば人の役に立てるのか、そして助けてくれた人たちに、どのように報いて行動していけばいいのか、そこを軸に考え続けることが基本となります」(P63)

 

「市場が欲しているのに、ありそうで、なかったものを」(P66)

 

「それは、ブルー・オーシャンか?」(P73)

 

「つまり、市場を考えるには、自分がほしいと思っている、あるいは、思っていたもの、を考えることです」(P84)

 

「この『サービス開発』は奇抜である必要はありませんが、これまで市場にあふれているものとはひと味ズレている必要があります」(P90)

 

どうだろうか?
ビジネスに参考になる言葉が入っているのではないだろうか?
もしあなたが新しいことに取り組もうとしているならば、著者の言葉を参考にしない手はない。
この本は、題名以上のものを物語っているのである。

 

 

 

 

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2014年10月19日