前任者の壁

前任者の壁

 

ビジネスマンやビジネスウーマンには乗り越えなければならない壁がある。

 

その一つが、前任者の壁である。

 

みなさんが新しい職場、新しい職務に就いたとき、この前任者の壁は、かならず立ちはだかっている。
みなさんは、得意先や職場の人が前任者の話題を出すとき、ちょっと複雑な気持ちを覚えるはずだ。

 

それは、得意先やみなさんの職場の人は、みなさんより、まだ前任者を身近な存在としてとらえているからだ。

 

だが、みなさんは、前任者から引き継ぎを受け、前任者のあと処理をしてみて、前任者の姿が得意先や職場の人が話す内容とは違うことを知っている。
だから、余計に前任者の話が気になる。

 

 

結論から言えば、この解決法は一つしかない。
時の流れを待つことである。

 

考えてみれば、得意先や職場の人が、前任者のことを話題に出すのは、みなさんより前任者のことを知っているからだ。

 

しかし、時が経つにつれ、得意先や職場の人は、次第にみなさんの人となり、仕事の進め方を知るようになる。
そうすると、得意先や職場の人は「いま」を大事にするに決まっている。
その結果、次第に前任者の話題は消えていく。

 

だから、新しい職場で、新しい職務で、みなさんは前任者の壁を感じたとしても、気にすることはない。
そして、みなさんを安心させるわけではないが、この壁は日本国中のビジネスマン、ビジネスウーマンがぶつかった壁でもある。

 

 

だが、ビジネスの世界には、目に見えないマナーのようなものが存在する。
それは、前任者のことを悪く言わないということである。

 

前任者の仕事ぶりを知り、前任者の後始末に追われている人は皮肉の一つも言いたいところだが、ここは自分の口から言わない方が賢明と思う。

 

それは、前任者と得意先、職場の人との結びつきは、わからないからである。
仮に親しかった場合、前任者の悪口を言われると、言った人のことをよく思わなくなる。

 

逆に、前任者と得意先、職場の人との関係が上手くいっていなかったこともある。
注意しなければならないことは、いずれの場合も、みなさんにとっては、よくわからない世界だということである。

 

だから、前任者のことを、自ら話すことなく、人の話に耳を澄ましていた方が賢明ということになる。

 

そして、不思議なことは、前任者のことをよく思っていた人も、よく思っていなかった人も、あまり前任者のことを話されると嫌気がさすということである。
つまり、嫌われるということである。

 

 

ビジネスの世界では、ビジネスマナーの本に書かれていることで失敗することは、ほとんどない。
ビジネスマナーの本に書かれていないところで、失敗する。

 

「前任者の話題を避ける」-私は、これも隠れたビジネスマナーと思い、拙著『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』 の中で取り上げた。

 

ビジネスの世界では、前任者の話題が自然に消えていくのを待つということも、私は必要ではないかと思っている。
みなさんは、そんなことも考えて、ビジネスの世界の5月病とも考えられる「前任者の壁」をぜひ乗り越えてもらいたい。

 

この壁を乗り越えると、みなさんが意識しなくても、得意先や職場の人の関心はみなさんに集中する。
それまでの辛抱である。

綾小路亜也

 

 

 

 

 

 

 

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「私がいなくなったら回らない」ということはない

「私がいなくなったら回らない」ということはない

 

「私がいなくなったら回らない」-人事異動発表後に、かならず聞く言葉である。

 

自分がまさか異動するとは思っていなかったとき、上司に対して「本当にいいんですか?」という念押しの意味を込めて使う。

 

それは、実際、自分がいまの職場のルールを決め、運営を左右し、得意先も引きつけていることもあるし、自分だからできていると思うからである。

 

また、苦労しながら、やっといまの組織をまとめ上げたり、組織に貢献できるようになったときは、「せっかく、ここまでやってきたのに」という思いも強くなる。
そんなとき、「会社は何を見ているんだ」と憤りを覚え、異動発表を機に会社を辞めてしまう人までいる。

 

そんな気持ちもわからなくはないが、まず考えなくてはならないことは「舞台裏」である。
会社は、人事異動を決断する際、実にさまざまなことを考えている。

 

「いまの仕事は『卒業』」と考えているかもしれないし、逆に、組織のマンネリ打破、不振脱却のために、新たな血が必要と思っているかもしれない。
要は、自分が考えている像と第三者が考えている像は違うということだけは、考えておく必要がある。

 

 

ただ、一番考えなくてはならなないことは、自分のキャリア形成である。

 

「私がいなくなったら回らない」と思う気持ちも大事だが、そう思っている限りは、自分のキャリア形成が進まない。
実際、異動発表のたびに現職場への残留が決定したならば、自分の思いは充たされるかもしれないが、一方、自分のキャリア形成は進まないことを意味している。

 

そんなことから、私からみなさんへの提案は、「私がいなくなったら回らない」という組織への思いと同じくらい、自分のキャリア形成についても思いを持ってもらいたいということである。
そして、実際、さまざまな職務、職場を経験した方が、自分の視野も広くなり、全社視点から会社のあり方を考えることができる。
その上で、もう一度、組織に対する自分の思いを確認してもらいたい。

 

また、「私がいなくなったら回らない」という心配はよくわかるが、実際、そんな心配はあまりいらない。

 

それは、みなさん自身が経験していることである。
みなさん自身も、ベテラン社員の後任として、あるいは新人として、いまの職場に着任したのではないだろうか。
それが、いつしか「私がいなくなったら回らない」と思うようになったからである。

 

組織で働くと、自負から、つい「私がいなくなったら回らない」と考えがちだが、「私がいなくなっても、きっと回る」と考えることが非常に大事だと思う。

 

実際、みなさんがいなくなっても組織は回っていくし、そのような「割り切り感」を持つことで、いまの職務、職場と区切りをつけることができる。
つまり、前を向いて進むことができる。
私は、みなさんには、そんな気持ちで、新しい職務、職場で頑張ってもらいたいと思う。

 

私は、サラリーマン社会の出世は、能力もさることながら、能力以上の要素が非常に大きいと思っている。
そして、「私がいなくなったら回らない」という組織への思いが強い人は貴重な存在だが、残念ながら、出世といういう意味では足踏みしてしまう。

 

その理由は、キャリア形成が進まなかったことから全社視点が得られなかったこと、キャリア形成の過程で生まれる人脈形成ができなかったことが大きいのではないかと思う。

 

 

私は、ここが出世の原点と考え、拙著で、「出世する人の異動ピッチは短い」「経験部署が多い人ほど抜擢される」「人との出会いが多いと、抜擢される確率は高まる」「もう1年と思うときが、出るタイミング」「重宝される人より、惜しまれる人になる」などに紙面を割いているので、興味のある方は、参考にしてください。

綾小路亜也

 

 

 

 

 

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ミスはつながっている

ミスはつながっている

 

ミスはつながっているというと、ものすごく暗い感じになるが、ここでお話しすることはそうではない。

 

ミスはつながっているから、一つのミスの発生を防ぐと、同じようなミスを防ぐことにつながるというポジティブな話である。

 

ミスは、確認不足によることも多いが、確認しても見逃してしまうミスも、また多いのではないだろうか?
そして、ミスは一見、バラバラに発生しているように見えるが、根っこの部分ではつながっているのではないかというのが私の説である。

 

しかも、よくよく考えてみれば、自分の弱い部分でつながっている。

 

私は、文字を見誤るというミスをよく犯した。
大事なお客さまの氏名を、名字で間違えるということはなかったが、名前を何度も確認したはずなのに、誤変換を見破ることが不得意だった。
誤変換した名前が妙にしっくり来て、どうしても見破れなかった。

 

また、13時、15時、17時、19時も不得意だった。
会議や、お客さまへの訪問時刻を手帳に13時としっかり記入し、事前に何度も確認したはずなのに、13時が15時へと目と頭が変換されてしまうことも多かった。
つまり、私の場合は、文字の確認の「確認」が弱かったことになる。

 

重要なことは、ミスの現象はまったく異なるように見えるが、ミスの原因になっているものは同じだということである。

 

そして、私の場合で言えば、文字誤りによるミスは、どこで火を噴いても不思議ではなかったということである。
たまたま、お客さまの名前誤りと会議や訪問時刻間違いという現象で火を噴いたにすぎない。
そんなことを考えると、資料の数字間違いで火を噴いたかもしれないのである。

 

しかし、そんなミスに対して「今後十分に確認します」と言っても、自分の弱いところだから、また起きる。
確認方法を変えない限り、どこで発生するかはわからないが、ミスは発生し続ける。

 

私の場合で言えば、手帳に13時、15時、17時、19時と書き続けることにより、また発生する。
そんなときは、ミスが発生しづらい「午後1時」と書くことである。

 

また、パーティーなどに出席する人の氏名の確認も、自分では確認の限りを尽くしても、またミスが発生する可能性が高い。
そんなときは、名前の部分を1文字1文字に区切り、1文字ごとにチェックを入れるか、人と読み合わせることである。

 

ミスは発生現象だけ考えても、けっして減らない。
しかし、自分の弱いところに気づき、その確認方法を変えることにより激減する。
それは、ミスは自分の弱いところでつながっているからである。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

 

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ボールは相手に完全に渡ったか?

ボールは相手に完全に渡ったか?

 

出世した人、ビジネスで成功した人は、何が違うのか?
私は、その一つに、ボールを完全に相手に渡せるか、どうかの違いがあると思っている。

 

私たちは、会社で出世した人や成功者に接して、べつに不親切に扱われたわけではないのに、なにか冷たく感じるときがないだろうか?

 

それは、買い物のあと、
「なにかございましたら、連絡先はここに記入してありますので、どうぞ遠慮なくお申し付けください。本日はありがとうございました」と笑顔で言われたときと、ちょっと似た感覚ではないだろうか。

 

私などは、もっと余韻を感じたい方だが、この余韻を感じさせないことが、出世した人や成功者の仕事の進め方の特徴ではないかと思っている。

 

 

しかし、私たちはボールを相手に手渡しすることも苦手だし、相手も手渡しされることを望まないことが多い。
両者とも、終わったようで、終わっていない感覚を好んでいると思う。
だから、そんな中、相手は仕事の完了宣言のようなものを受けると、どこか冷たく感じるのだと思う。

 

だが、ボールが相手に渡っているようで、渡っていないときは、一つの仕事にカタをつけられないことから、いつもでもその仕事を引きずってしまう。
それでは、いつも同時並行で多くの仕事を進めることになってしまう。

 

私は、職場で混乱している人、またビジネスで上手くいかない人は、このように一つの仕事にカタをつけられない人ではないかと思っている。

 

それでは、どうしたらよいのだろうか?
私は、仕事の「完了宣言」のようなものが必要ではないかと思っている。
ただ、さすがに「完了宣言」とは言えないから、報告書やメールでしっかり回答する、提出するといったことが必要と思う。

 

しかし、これもやってみると非常に難しい。
それは、一つには、そんな報告書やメールを出すこと自体面倒くさいということがある。たしかに、いっとき手間がかかる。
また、「そこまで杓子定規に」と考えることもある。
さらに、「それよりも人間関係」と思う場合もある。

 

だが、会社で出世した人やビジネスで成功した人は、ここのところを乗り越えた人ではないのだろうか?
一つの仕事に区切りをつけて、次なる課題に向かったのではないだろうか。
だから、成果を上げたのではないのだろうか。

 

そして、そんな人たちの「一つのことを引きずらない」姿勢や性格から、人は、なにか冷たさを感じることがあるのではないかと思う。

 

ただ、彼らはトラブルを起こさない。
それは、相手に完全にボールを手渡ししているからだ。
トラブルは、たいがい自分では相手にボールを渡しているつもりでも、相手は受け取っていないと思うときに起きている。

 

 

ボールを完全に相手に手渡しすることは、非常に難しいことだが、それを意識するか否かによって、業務進展が大きく変わってくる。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

 

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部下のそのミスは、決定的なミスなのか?

部下のそのミスは、決定的なミスなのか?

 

上司は部下からミスの報告を受けるのは嫌なものである。
しかし、その際、考えなくてはならないことがある。
それは、そのミスが決定的なミスかどうかということだ。

 

「そのミスが決定的なものか」考えることにより、上司の頭は整理される。
もちろん、そのミスの中には、至急社外の対応をしなければならないこともある。また、セキュリティに絡むミスも至急対応する必要がある。

 

しかし、ミスの大部分は社内あての文書の内容が違っていた、日付が違っていた、計算が違っていた等、訂正という処置で解決可能なものが多いのではないだろうか。
つまり、決定的なミスではないことが圧倒的に多いはずである。

 

ところが、ここで上司の受け止め方が分かれる。
それは、社内向けのミスゆえに、かえって許せない上司もいるからだ。

 

その理由はなんだろう?
一つには、ミスを訂正し、発信するのが面倒くさいという理由がある。
また、報告をし直す場合はきまりが悪いということもある。
そして、訂正をすることで、自分の体面が傷つくと考えることもあるのではないだろうか。

 

つまり、問題は、面倒くささ、きまりの悪さ、体面が傷つくことを上司がすぐに受け容れることができるかどうかにかかっている。
しかし、それは口で言うのは簡単だが、なかなか難しいことである。

 

それは上司のプライドとも深く関わるが、それよりも、上司は、部下のミスを報告することで、自分の部下指導、仕事の確認など上司としての素養を疑われるのを、おそれるからである。

 

その上司の気持ちをもっと掘り下げると、部下のミスを報告することで、自分に×がつくのが嫌なのである。
そのことにより、自分の出世が妨げられるような気がして嫌なのである。

 

たしかに、部下のミスが少ない上司、すなわち組織としてミスが少ない上司は、上からも会社からも組織マネジメントができていると評価され、昇進することが多い。
しかし、その先、さらに出世するかというと意外に足踏みしてしまうことが多い。

 

それは、理屈の世界ではなく、実態として、ミスをあまり気にかけない上司の方が、一定のポジションから先に進むことが多いからである。
たぶん、会社は、組織の雰囲気、部下の発言のしやすさというものを、一定ポジションからは重視しているからだと思う。
また、そんなミスよりも、重要な課題に対する取り組み姿勢を、より重視するからだと思う。

 

私は、ここにも出世のカラクリのようなものが存在していると思う。

 

それでは、どうするかである。
それは、部下のミスを決定的なものであるか考え、決定的でないと思えた場合は、あまり気にしないことである。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

 

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過去は変えられないと思うと、過去の意味あいを感じる日がやって来る

過去は変えられないと思うと、過去の意味あいを感じる日がやって来る

 

「過去は変えられる」という記事をよく見る。
私は、やはり過去は変えられないと考えるのが自然と思うが、その意味合いは変えることができると思う。

 

「あのとき、こうしとけばよかった」「あとのとき、ああしなければよかった」と過去は後悔だらけである。
特に自分が選択ミスをしたと思えるときは、そのことが頭にこびりついて離れない。

 

そして、その選択ミスは「人の意見を聞きすぎてしまった」「自分より組織のことを思ってしまった」「人のことを考えすぎてしまった」「人を頼ったが、願いどおりにはならなかった」と、自分を主語にして考えなかったとき、悔やまれてならない。

 

ここが、自分が失敗をしたときの感覚と大きく異なる。
失敗が成功の過程になるのは、自分で主語であることが多いから、成功へのエネルギーも湧くのではないかと思う。

 

しかし、選択ミスなどを悔やんでいても、当然ながら時計の針を戻すことはできない。
ここは「そんなこと悔やんでみても、過去は変えられない!」と、「過去は変えられない」ことを自分に言い聞かせた方がいい、というのが私の考えである。

 

それは、人は頭がいいから、悔やんだ過去に意味あいを持たせようとするからである。
しかし、意味あいを持たせようとすればするほど、悔やんだ過去が頭から消え去らない。

 

私は、ここで「過去は変えられない!」と過去に決別してしまう方が、いいと思う。
そうすると、どうなるかである。
いまやるべきことに向かわなければならないということになる。

 

私は、ここが成功への入り口であるような気がしてならないのである。

 

春はビジネスパーソンにとって区切りの季節である。
さまざまな思いを胸に、新任地へ、新職務に向かう人は多い。
その人たちの胸の内がいかに複雑かということは、私もサラリーマンが長かったためよくわかる。

 

きっと、新任地に向かう飛行機の中、列車の中で通り過ぎた過去を思うはずである。新しい住居で一人になったときも、そんなことを考える。

 

しかし、ここで「過去は変えられない」と自分に区切りをつけて、新しい職務で頑張ってもらいたい。
そして、新しい職務で頑張れば頑張るほど、悔やんだ過去は消えていく。

 

しかし、不思議なことに、過去のことが頭から離れていったとき、ふと「もしかして、いまの自分があるのは、あのときの自分があったからではないのか」と思える日がやって来る。

 

そのとき、自分にとって、過去の意味あいが変わったのである。過去は変わったのである。

 

綾小路亜也

 

 

 

(参考)ビジネスパーソンは、自分を主語にできるどうかによって、大きくその道は変わってくる。
「もう1年と思うときが、出るタイミング」「重宝される人より、惜しまれる人になる」(『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる! 』)、「『輝く営業女子』は自分を主語にする」(『企業で働く 営業女子が輝く35のヒント 』)で取り上げているので、興味のある方は参考にしていただきたい。

 

 

 

 

 

 

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成果と、評価用紙に「書ける」「書けない」という問題は別問題

成果と、評価用紙に「書ける」「書けない」という問題は別問題

 

いまの人事評価は、自己評価から始まる。
しかし、評価用紙にまったく記入できないときがある。
その多くは、成果が出なかったときである。

 

そんなとき、潔く「今年度は、十分な成果が出ませんでした」と書いたり、自己評価欄をすかすかにして提出してしまう人が多い。
その理由は、結果が出なかったら書けないという一点に尽きる。

 

それでは、評価する方もそれ以上評価しようがなくなる。

 

しかし、評価用紙に「書ける」「書けない」という問題と、「成果」が出た、出なかったという問題とは、本来別問題である。

 

それならば、「成果」が出なかった場合でも、書けばいいことになるが、なかなか難しいこともたしかである。

 

 

だが、そんなときにも、コツがある。

 

まず、白紙の用紙に、箇条書きに、自分のやったことを書く。思い浮かべるだけ書く。

 

成果が出なかったとしても、訪問したり、企画書を提出したり、ミーティングを重ねたりしたはずである。
また、社内でも、ミーティングや研修会などを重ねたはずである。

 

ポイントは、そんな「事実」を、日付、回数を思い浮かべて書く。

 

そして、次の作業として、白紙の用紙に箇条書きに書かれた「事実」を、内容別にまとめてみる。

 

どうだろうか?
それが、みなさんの1年の「仕事」だったのである。
そして、それを自己評価欄に書けばいいと思う。

 

こうして1年の行動を振り返ってみれば、みなさんの行動は、けっこう、捨てたものではないことがわかる。
しかし、成果が出なかったことも事実であるから、方法、情熱、徹底度合いというものも検証する必要がある。

 

そして、評価する側も、自己評価欄にこのような「事実」が記載されているのと、ないのとでは、まったくその取扱いが違う。
評価する側は、「事実」を「事実」として認めたうえで、判断する。

 

重要なことは、このような「事実」が書かれていると、評価側も、その用紙に入り込むということである。
自分が当事者になったような気持ちで、頭の中で、行動を再現する作業に入る。

 

そして、評価側がそんな気持ちになったら、悪い評価がつくことはない。

 

しかし、やってはいけないことがある。
それは、自己評価欄に長文で書くことである。
そうすると、一転して、言い訳がましく映る。

 

あくまでも箇条書きで、やったことを簡潔に列挙することである。

 

こうした「事実」を列挙する作業の意味は大きい。
それは、改めて、「やった」という行動の意味を知るからである。
そして、「成果」に結びつく「行動」というものを意識するからである。

 

綾小路亜也

 

 

 

 

 

 

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人事異動でショックだったとき、まず考えること

人事異動でショックだったとき、まず考えること

 

サラリーマンの世界では、「あの人は昔、○○さんと部長の座を争ってたんだって……」と言われる人がいる。
しかし、残念ながら、その人にそんな過去があったと、とても思えない。

 

人のことをとやかく言う筋合いはないが、その人はどこかで、おかしくなってしまったのである。

 

そして、そのどこかは人事異動を起点にしていることが多い。

 

しかし、人事異動の発表で、ショックだった人はそれこそ無限にいるはずである。
そして、たいがいの人は、気を取り直し新任地で挽回を期す。

 

私は、「あの人は昔……」とうわさされる人も、きっと多くのサラリーマンと同じように、新任地で挽回を期したのだと思う。
だが、「何か」がその人にあった。

 

私は、それは、新任地での職務の厳しさ、新任地で迎えたピンチだったのではないかと思っている。

 

 

異動の発表を待つというときは、たいがい昇進、昇格を期待するときである。
そして、自分なりに、手ごたえを持ったときだと思う。
また、周りの人も、そんな目で見ている。

 

つまり、その人は昇進、昇格に向けて攻めていたのだと思う。
そして課長なり、部長なりのイスが見えていたのに、今度はいまの地位までも脅かすピンチが訪れる。
私は、「あの人は昔…」と言われる人は、そのピンチを持ちこたえることができなかったのではないかと推測する。

 

 

サラリーマンはスポーツと同じように、チャンスのあとに一転してピンチが訪れる。
私も経験したし、きっと多くのサラリーマンも実感として持っている。

 

それでは、どうしたらいいのだろうか?
私は、サラリーマン生活では、チャンスを逃したときは、いったん防御の姿勢を持つことが大事だと思う。

 

それは、「もしかしたら課長になれる、部長になれるかもしれない」と思ってちょっと緩んでいた気持ち、また、周りの人からちやほやされてきた気持ちを引き締めることである。

 

そんな気持ちが少しでも残っていると、次の職場で一転してピンチに遭遇したときに、そのギャップに耐えられたくなってしまうからである。

 

ぜひ、アメフトのオフェンス陣がいっせいに引き揚げ、ディフェンス陣が出てくる感覚を持ってもらいたいと思う。
「守るときは、徹底して守る」ことが必要と思う。

 

しかし、サラリーマン社会は不思議なもので、そんなピンチを乗り越えたとき、今度はチャンス=栄転が待っている。

 

新任地でのピンチを乗り越えられるかどうかは、紙一重の気持ちの差、身構えの差である。

 

人事異動の発表で、期待どおりにいかなかった人の胸の内は誰にもわからない。
そこには言いようのないつらさがある。
しかし、その気持ちを、いったんディフェンスモードに切り替えて、しっかりガードしてもらいたい。

 

そして、そのガードがしっかりできていると、かならずチャンスが来る!

 

綾小路亜也

 

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