横浜スタジアムを反対側から見ると……

新たな発見である。
横浜スタジアムは、JR根岸線関内駅南口で降りる。
すると、もう横浜スタジアムが視界に入るはずだ。

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ところが、私は、時間に余裕があったため、スタジアムの芝生沿いに反対側に行ってみようと急遽思い立ったのである。
反対側に行き着き、通りまで出て振り返ると「横浜公園」という文字が目に止まった。
そこで、私は、「横浜公園」と書かれた門の中に、来た道を戻るような形で入ってみたのである。
そこで目にしたのが、次の光景である。

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日本庭園である。
日本庭園の木の隙間から顔を覗かせているのが、横浜スタジアムである。
まるで、光景が異なるのである。
よく見ると、近所の人たちが、朝のひと時を楽しんでいるではないか。

 

私は思ったのである。
私たちは、横浜スタジアムというと、つい脳裏にイメージしてしまう画像がある。
それは、入り口の画像である。
しかし、反対側から見た横浜スタジアムも、また横浜スタジアムなのである。
よく、「物事は裏からも見なくてはいけない」と言われているが、私は、そのとき、「こういうことだったなのか」と目で実感できたのである。

 

それと同時に、もう一つ重要なことにも気がついた。
それは、物事の反対側、あるいは人の違う側面は、やはり回りこまなければ見えないということである。
私は、たまたま時間に余裕があり、しかも興味もあったことから、横浜スタジアムの反対側を見ることができたが、ものごとの反対側や人の違う側面は、自分から見に行かなければ、やはり見えないとということである。

 

そして、私は朝で頭が冴えていたこともあり、また違うことも考えていた。
それは、この広い敷地自体が「横浜公園」であり、その中に「横浜スタジアム」があるのではないかとも思えてきたのである。
家に帰って調べてみると、まさに私の推論が当たっていることがわかった。

 

すると、私は、たまたま、横浜スタジアムの反対側に回ったから、「横浜公園」という全体像に気がついたことになる。
「全体像ということは、そういうことなのか」とも思ったのである。
これも、私たちは、とかく目を引くものに関心が集中する傾向にある。
しかし、その目を引くものが、全体の一部分にすぎないということも、必ずあるはずである。

 

物事や人は、反対側に回ってみないとわからないのだ。
反対側に回ってみて、初めて全体を理解することもあるのだ。
そして、実際に反対側に回ってみるという努力も必要なのだ。
私は、横浜スタジアムの反対側に回ってみて、やっとわかったような気がしたのである。

 

 

 

パンのペリカン

パンを買って帰ってこんなに喜ばれたことはない。
それは、ペリカンのパンだったからだ。
私は、家族から「ペリカンのパンを買ってきてよ。田原町に近くにあるらしいよ」と聞いていた。

 

それが、どうやら頭の隅に残っていたらしい。
私は、銀座線田原町を降り、地上に出た瞬間から、「パンのペリカン」を捜していた。
すると、下町のどこにでもあるような古いビルの横壁に「パンのペリカン」という看板があるではないか。
私は、引き込まれるように、店に入った。

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店に入って驚いた。
ショーケースがない。菓子パンやカレーパンもない。
壁際の棚に食パンが差し込まれているだけなのだ。
よく見ると、ロールパンが、反対側の壁にビニール袋に入って吊ってある。
それだけである。まるで、パンの工場に入ってしまったような感じなのである。
私は、食パン2斤を買った。残念ながら壁に吊ってあったロールパンは予約客のもので、売り切れだった。

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私は、その食パンを家に持ち帰ったのである。
そして、その食パンに「ワー」と言われたのである。

 

食べてみた。
瞬間、パンの皮が、おいしい!と思った。
やわらかいのである。やわらかいから白い生地部分と一体なのである。
「パンは、皮と白い生地が一体のものなんだ」と思った。
白い生地部分も、モチモチ感がある。
きっと、材料が凝縮しているんだと思った。

 

「パンのペリカン」は当初は、他の店と同じようにジャムパンやクリームパンなども作っていたという。
しかし、すぐに喫茶店で出すパンを並行して作るようになったという。すなわち今の店のスタイルの原形である。
そして、昭和30年代に近くにパン屋が次々にでき、飽和状態になったのを機に、人と争うのが嫌いな店主が、菓子パン類をやめ、喫茶店やホテルに卸すのを中心に、食パン、ロールパン、バンズだけに絞ったのである。
そのスタイルが今も続いているのである。

 

私のブログの読者のほとんどは、ビジネスマンの方だと思うので、少しコメントしておきたい。
「パンのペリカン」は、クチコミで広がっていったのだと思う。
そして、昭和24年の創業当時から喫茶店向けのパンを作っていたというところがキーである。
つまり、創業当時から業務用の高品質のパンを作っていたことが「パンのペリカン」のコアコンピタンスとなった。
そして、競合状態を避け菓子パン類を作らなかったことにより、コアコンピタンスのみが残ったのだと思う。
そんな高品質の商品が、クチコミで広まらないわけがなかったのである。

 

多分、喫茶店のお客さんが、「このパンおいしいね。どこで作ったパン?」などと喫茶店のマスターに聞いたことが始まりではなかったかと、想像している。
やはり、売れるには、原因があるのである。
私が買った食パン2斤の値段は760円だった。これは普通の店に比べるとかなり高いのではないだろうか。しかし、この値段こそが、「パンのペリカン」の歴史と強みを物語っているのである。

 

 

「パンのペリカン」
〒111-0042 東京都台東区寿4-7-4
http://www.bakerpelican.com/

 

 

 

ケーススタディ 「ベーコンレタスバーガー」

ケーススタディテーマは「売上が落ちているときは業務品質を見よ!」である。
「戦略」と「業務品質」との関係を記述しているので、サラリーマンの人も、経営者の方も是非、参考にしていただきたい。

 

本日、本当にあった事実から話を進めていきたい。
息子と買い物に出かけて、ハンバーガーショップに立ち寄り、「ベーコンレタスバーガー」を買った。
ところがである。
家に帰り、食べている時に気づいた。 ベーコンが入っていないのである!
そもそも、「ベーコンレタスバーガー」を買う人は、ベーコンが好きだからこの ハンバーガーを買っている。
と考えると、このハンバーガーの主題は、ベーコンなのである。
つまり、肝心要のものが抜けているということになる。
流石に、息子は、ハンバーガーショップに電話して事情を説明した。 店側は、「すぐにお届けにまいります」という返答だった。

 

さて、ここで私は思い当たることがいくつか脳裏をかすめた。
2ヶ月くらい前だったが、やはり、「ベーコンレタスバーガー」を買ったことがある。
その時には、確かにベーコンが入っていた。 しかし、入っているのか入っていないのかわからない程度であり、失望した記憶がある。
およそ客というものは、商品を買うときにその商品についてイメージする。
その時、私は、バンズからはみ出るほど長いベーコンをイメージし、それがハンバーグやレタスと絡み合う味というものを期待していた。
当然ながら、失望した。値段も結構高かったはずだ。

 

そして、もう一つその日に気になることがあった。
それは、持ち帰って、家で包みを取ってみると、とても食欲をそそる状態にはなっていないことだ。
バンズは温度が冷めることによりしぼみ、中の具もグジャグジャになっている。 まるで、残飯のような有様だ。
以前は型崩れしない保温効果もある発泡スチールに入っていたはずだ。
多分、ケースを捨てなくてはならないという環境問題もあったと思うが、それならば、企業努力で、問題を克服すべきだったような気がする。

 

本日のことと、以前あったことを色々考えているうちに、 確か、新聞にこの会社の業績のことが載っていたことも思い出した。
ここからである。
今までのことを考えていくと、一消費者の立場から見て、この会社の「業務品質」は残念ながら、落ちていると言わざるを得ない。
しかし、私は、違うことも考えている。
それは、大きなお世話だが、この会社は業績低迷の原因をどう考え、どう処理しているのかという興味である。
全くの推論であるが、多分、「『戦略』が上手く機能しなかった、浸透しなかった」と処理されているのではないかと思うのである。
この会社の「戦略」とは、多分、高単価商品の販売による売上の増大、利益率のアップではないだろうか。
私が、購入した「ベーコンレタスバーガー」はその高単価商品の一つだろう。

 

私は、「戦略」が上手く機能しなかったと言えば、それはその通りだと思うが、 これは、「業務品質」の問題だと考えている。
企業は、「戦略」、「戦略」とよく言うけれど、またそう言うと、聞こえはよいが、 その下地には、「業務品質」がある。
一定の信頼できる「業務品質」の上に、「戦略」というものが成り立っているのだ。
それは考えてみればわかる。
例えば、デパートである企画(戦略)を実施する場合も、消費者は、そのデパートには一定の「業務品質」 があることを知っているから、企画に乗る人も多いのである。

 

以上のことから、何を言いたいかである。
企業は、売上が不振になるとき、すぐに「戦略」のことを持ち出す。
売上不振の原因を「戦略」に持っていきたがる。
しかし、真の原因は、「業務品質」かもしれないのである。
それを、ゴッチャにして処理する。
また、「業務品質」に問題がありそうだとしたならば、徹底的に「現場」をたたく。

 

ここが違うのである。
「現場」は、企業のトップが考えるほど不真面目ではない。
本社の指示を忠実に守る。これが日本の企業の大きな特徴である。
例えば、「高単価商品を売れ」「経費を削減しろ」「現場の利益率を高くせよ」 と「現場」は言われる。
「現場」は、それを一生懸命実行するのである。
そして、その指示が、「現場状況」と合致しなくなった時に、「現場」の「業務品質」が 落ちるのである。
例えば、要員不足等の場合にこうした現象は起きる。
もし、企業が、「戦略」という言葉を使いたいならば、「現場戦略」が間違っていたということになる。

 

さらに日本の企業には、上記例とは正反対に、毎日毎日しつこいくらいに、現場の「業務品質」にこだわる企業も多い。
ほとんどマニアックなまでにこだわる。
そして、少しでも売上が落ちるものなら、「詰まるところ、現場の業務品質に問題があった」と 総括してしまう。
こういう企業で働く「現場」のサラリーマンは疲弊し、「一体、そう言う本社は何をやってくれているんだ」 と思うようになる。
この企業の場合は、すべて、「現場」の「業務品質」でカタをつける。
つまり、今までとは逆にこうした企業は、「戦略」がない企業ということになる。

 

以上、売上が不振になったときは、「戦略」と「業務品質」両方を見なければならないのである。
それを、ゴッチャにしてどちらかに片寄せすることはダメである。
そして、その見極めは、絶えず、「現場」にある。

 

私は、拙著『サラリーマンの本質』の中で、「上手くいっているより、上手くいっていないが大切」
という見出しを立てた。(P80~)
その中で、ある地銀の頭取の話を紹介している。
その頭取は、毎日毎日、支店を訪問しては、支店長と話すのではなくパートの女子職員と談笑して本店に帰っていった。
その頭取の信条は「現場に神あり」であった。
「戦略」の問題か、「業務品質」の問題か、それは本社で座っていたり会議をしているだけでは決して見えない。
また、本社にいる報告上手な取締役や部長からの報告からは読み取ることはできない。
真実の姿は、「現場」にある。
この頭取の姿勢を是非、参考にしていただきたい。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第三議題「組織への間違った指導」の中の2.「上手くいっているより、上手くいっていないが大切」を参照してください。

 

 

 

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