立つ鳥お茶を濁さない

サラリーマンに異動、転勤はつきものである。
人は意外なほど、その時の状況を見ているものである。
しっかり、現在の仕事をやり遂げて新任地に赴く人もいれば、バタバタとお茶を濁して旅立つ人もいる。

 

サラリーマン社会は不思議な社会で、そのときは評価にならないようなところが、のちのち人の記憶に焼き付いていて評価されることがある。
みなさんは、そう思うことはないだろうか?
これは、異動や転勤に限ったことではない。
「あいつは、あのとき正直に対応した」「あいつは、あの時言い訳をしないで頑張っていた」………。
こんなことも、のちのち話題にしているのではないだろうか。

 

そんなことから、つくづく思うのは、サラリーマンにとっては、確かに異動や転勤は、その職場、そこで働く人との別れを意味するものだが、それで終わらないということだ。
一旦別れた人と、また同じ職場、同じ支店、同じ部、同じ課で働くことになるケースは、よくある話だ。
また、今の職場の人と話しているときに、互いに共通の人の話が出ることがある。
「あの人いい人でしょ」「うん、おれも助けられた」………。という具合に出る。
さらに、あるポストの人選を決めているときに、候補の人の名が浮かんでくることもある。
「あいつ、どうだ?」「とっても誠実でいいですよ」「一緒に働きましたが、最後までやり遂げる人ですよ」………。
実は、こんな時に出る人の評価というものが、極めて大事なのである。

 

つまり、サラリーマン生活は、その場限りではないことになる。一旦異動や転勤で、その職場とは区切りをつけたかもしれないが、そこでの印象や評価というものは区切りなく続いているのである。
別にこの問題を難しく考える必要はないような気がする。詰まるところ、どの職場でも、一生懸命頑張るということではないだろうか。
そして、サラリーマンには、短期的な評価も、もちろん大事だが、こうした積み重ねられた評価も非常に重要な気がする。

 

また、現在働いている職場のある地や転勤先は、縁で出会った地である。
異動や転勤がなければ、一生知らなかった地かもしれない。
その出会いというものは、やはり大切にしたいものである。

 

 

 

下の写真は、私が4年間過ごした岡山を去る瞬間の新幹線のホームである。
これからこのホームに東京行きの新幹線が入線し、私はその車両に乗り込むことになる。
そして、いつまでもいつまでも車両の窓から外の景色を見ていた。眼に焼き付けようと見ていた。
「切ない」という言葉の意味を噛みしめた。

P4090031

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

二兎を追う者は三兎をも得る

営業の現場にいる人は、このたとえにピンとくる人が多いと思う。
また、このたとえにピンとくるならば、かなり営業現場で成果を上げている人ではないかと思う。
営業の世界では、「この玉(見込み先)しかないんだ」と必死に食い下がっているときには、その玉は成約になることはまずない。
それが、「見込み先の内、どれが入ってもいいや」と思っているときは、一度に全部入ってしまう。
まるで、こちらの心の内を見透かされているような現象である。

 

営業の世界は、玉数(見込み先数)と密接に関係する世界である。
すなわち、玉数を多く持っている人は、たえず有利に展開する。
逆に玉数が少ない人は、いつも、「この見込み先を必ず落とすんだ」と必死の展開となり、その焦りにも似たような気持ちがお客に読み取られ、成約することができない。

 

それでは、どうしたら玉数を増やせるかということである。
一つの方法は、よく言われている「紹介営業」である。成約したお客さんや親密になった人から紹介を頼むという方法である。
この目的は、玉数を増やす、減らさないようにする営業手法にほかならない。
そしてこの手法は、トップセールスマンがよく本に書いている手法であり、みなさんも、こうした類の本を読まれたかもしれない。

 

しかし、みなさんは、不思議に思っていることはないだろうか?
それはセールスで活躍している人の本はあるのだが、会社から、「営業のやり方」を聞いた人はいるだろうか?
会社は、そんなトップセールスマンが書いた本を紹介してくれたり、あるいはトップセールスマンを講演に招くことはあっても、会社自身が営業のやり方を教えたり、研修してくれたことはあるだろうか?
少なくとも、私はなかった。みなさんはどうだろうか?

 

また、さらにわからないことは、上記のセールスの人は、多くの場合、生命保険の営業職員であったり、損害保険の代理店であったりする。
いわゆるコミッションで生きている人であり、一般のサラリーマンの営業とは違うのである。
サラリーマンの営業は、成績により年収に影響はあったり、昇進に影響はあったりするかもしれないが、やはり基本は固定給の社員なのである。
そして、数ある職務のうち、たまたまと言っていいかは別にして、営業部門に配属となったサラリーマンなのである。
それを、トップセールスマンの営業を参考にしろと言われても、そのやり方や意志力は参考になるかもしれないが、私はやはりベースは違うのではないかと考えるのである。

 

だから、結論から言うと、もしあなたが、サラリーマンで、営業部門に配属となり、本当のところ営業のやり方がわからず悩んでいたとしたならば、当然なのである。心配する必要はないのである。ましてや、能力の問題とはまったく無関係であることを言っておきたい。

 

 

このことが『サラリーマンの本質 』執筆のきっかけの一つとなった。
興味のある人は、参考にしてもらいたい。

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

雨降って地緩む

サラリーマン社会の中ではよくある話である。
トラブルが多い組織や売上不振の組織は、必ず「お偉いさん」のターゲットとなる。
そして、必ずと言ってもいいほど、「お偉いさん」を入れて対策会議を開くハメとなる。
その席で、「お偉いさん」から次から次に注文をつけられる。
一応、組織全体で、議論という形をとるが、結局は、「お偉いさん」から、あれやこれやと改善策を突きつけられるのである。
また、ご丁寧にも会議が終了すると、「お偉いさん」の掛け声とともに、たいがいは飲みに行くハメになるのである。

 

さて、「お偉いさん」が帰ったあとのこの職場は、一体どうなるのであろうか?
ここは、冷静に考えなければならない。
もちろん、そこには、やり方の問題も確かに存在する。
しかし、原点は、「このメンバーでは
一定のことをこなせなかった」というところに求めるのが正解なのではないだろうか。これがトラブルや売上不振の真の原因なのではないだろうか。
それが、結局、「お偉いさん」が帰ったあと、こうした組織は、「やるべきこと」が増え一層混乱していくのである。
まさに、「雨降って地固まる」とは逆に、「雨降って地緩む」状態になるのである。
その結果、こういった組織はたえず疲弊し、トラブルや業績不振の体質から脱却できないのである。
そんなこと、わかるのが「お偉いさん」ではないかと思うけれど、「お偉いさん」はわからないのである。
むしろ、こうした職場の長に向かって、「どうだ? オレが行ってから変わったか」と聞くのである。
答える方も、「お偉いさん」に気を遣い、「おかげさまで……」とお礼を言い、無理に変わったようなことを報告するから、また話はおかしくなるのである。
こうした現象が、日本全国津々浦々繰り広げられているのである。
これが日本のサラリーマン社会の実態である。

 

それでは、こうした組織に対してはどうしたらよいのであろうか?
もちろん、要員、個々のメンバーの力量も考えなくてはならないだろう。
しかし、私は、『サラリーマンの本質 』で繰り返し述べているように、往々にしてこういう組織は、トラブルに陥りやすい、売上不振、業績不振になりやすい体質を持っているのである。
「お偉いさん」の指示が、体質変更なら○だが、たいていは、指示事項を増やして、組織の改善を図ろうとするのである。
それでは、一層、混乱するのである。
こうした場合は、勇気を出して、現在の業務量を減らす指示を出すべきである。
それは、元々このメンバーでは一定の業務をこなせなかったという原点に帰ることになる。
どの位減らせば、このメンバーで、一定の業務をこなせるか模索するのである。
やり方を変える場合も、決して業務量が増える方向での変更は指示してはいけないのである。
そうした上で、なにを待つかというと、組織の「体質改善」である。
組織の体質が変わらなければ、また同じようなトラブルを起こしたり業績不振に陥るのである。
組織の業務を一旦身軽にさせ、態勢を整えさせることが重要である。
その体質とは、「取りかかり」が早く、「手離れ」が早い体質である。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第三議題「組織への間違った指導」

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

溺れる者は藁をも離すな

私は、「サラリーマン生活でなにが一番重要ですか?」と聞かれたら、「スピード、しかも『取りかかりの早いスピード』」と答える一方、「ビンチのときの頑張り。しかも、『取り返しのつかない失敗をした』と思ったときの頑張り」と答える。
そう、それが、「溺れる者は藁をも離すな」である。
サラリーマンの本質 』でも同名の見出しを立てている。
そのくらい、大事なものだと思っている。

 

サラリーマン生活を経験した人なら誰でも経験することに失敗がある。それも大失敗がある。
そのとき、誰もが思うはずだ。「取り返しのつかない失敗をしてしまった」と。
眠れない夜を過ごすこともあったはずだ。
しかし、そのときは「自分の社員生命もこれで終わった」と思ったものだが、意外と「なんとかなった」ことはなかっただろうか?
これがサラリーマン生活なのである。

 

だから、もし、あなたが、「もうだめだ。もう終わりだ」と思ったときに、「そうだ! 意外と『なんとかなる』という話を聞いたことがある。読んだことがある」ということを、頭の隅に置いてもらいたいのである。
世の中、不安を煽ることはいくらでも言えるし、いくらでも書ける。
しかし、「大変なピンチの場合でも、なんとかなる」ということを話すことは重要ではないかと思っている。
そのために、『サラリーマンの本質』で、このことを取り上げたのである。
それに、起きてしまったことを、「ああだ」「こうだ」と言っても仕方がないことなのである。

 

さて、意外に「なんとかなる」と書いたが、これには2つの条件がある。
1つ目は、オープンにしてみんなで大騒ぎするということである。
2つ目は、文字通り頑張るのである。ここが正念場と思い、頑張るのである。

 

この2つの条件が充たされるとき、なんとかなる!
1つ目の条件は、つらいけれど、大失敗の状況をオープンにする。
そうすれば、サラリーマン社会はまさに組織ということを感じさせる一瞬となる。
たとえば、大事な会議やパーティーの場の予約を失念していたり、日にちを間違えて予約をしていたことがわかった場合。
こうした場合は、手分けして、他の会場をあたるだろう。死に物狂いで見つけるだろう。
多分、こうした場合は、当初想定していたパーティー会場のイメージとは程遠くはなるけれど、なんとか手配は完了するだろう。
案内自体の出状を忘れていた、間に合わないというケースもあるだろう。
そんなときでも、組織は手分けして、出席者に持参したり、電話したりして、やり遂げるだろう。

 

実際、前に私がいた会社で、大事なお客さまの接待場所の予約日時を間違え、接待場所に行って初めて気づいたという話を聞いたことがある。
私の会社の社長が出席する大事な接待だったという。
しかし、そのときも急遽、接待場所変更を先方に申し入れ、なんとかなったのである。

 

業務上でいうと、切りがない。
大変重要なお客さまを怒らしてしまった。書類手続きを失念していた。届け出を忘れていた。ある書類に記載してあったことを見落としてしまった。大きな契約を落としてしまった。売り上げが全然いかない事態が発生した。電車の棚に重要な書類を置き忘れてしまった。紛失してしまった。落としてしまった。破損してしまった。数字の桁を間違えてしまった。人の名前を間違えてしまった。………数え上げたら切りがない。

 

こんなときでも、2つの条件を充たせばなんとかなるのである。
サラリーマン社会では、この土壇場の頑張りが一番重要なのである。
そして、もう一ついい話をしておこう。
サラリーマン社会は不思議なもので、大失敗をしたにもかかわらず、土壇場の頑張りでなんとかなった場合、逆に評価されることがある。
「なんとかなった場合」は、会社も上司も、あなたが大失敗をしていたことなど、もはや論点にしていない。
安堵感とともに、「あいつ、頑張ったよな」「よくやった」と、土壇場の頑張りを評価する傾向がある。
これは付随的効果だが、頭に入れておいてもらいたい。

 

サラリーマン生活には、失敗や大失敗はつきものである。
大失敗した場合、取り返しのつかない失敗をしたと思ったときは、それこそ「溺れる者は藁をも離すな」の気持ちで、頑張ってもらいたい。
ここがまさにサラリーマンの正念場であり、ここを乗り越えると、評価さえされるのである。
また、急場を乗り越えたということが、あなたの自信となり、ないことに越したことはないが、仮に次の急場がやってきても、また乗り越えてしまうという強い体質を作っていくのである。
詳細は、『サラリーマンの本質』を参考にしていただきたい。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第二議題「現場への指導は三つのみ」-「溺れる者は藁をも離すな」

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

泣きっ面に熊ん蜂

前もってことわっておきたいが、決してふざけているわけではない。
実際に私もこんな状態を経験し、『サラリーマンの本質』でも、「泣きっ面に熊ん蜂」という表現を実際に使っている。(P30)
サラリーマンなら、この感覚をきっと理解してくれると思うし、実際にみなさんも経験しているのではないだろうか。
意味は、想像がつくと思うが、「悪い時には悪いことが泣きたくなるほど強烈に襲ってくる」ということである。
それは、単に泣いていた顔に蜂がプスッと刺すという感覚ではない。
熊ん蜂がブスリと刺すイメージなのである。

 

しかし、ものごとを冷静に考えてもらいたい。
こうした「悪い時には悪いことが重なる」人や組織を見ていると気づくことがないだろうか?
それは、同じ人と組織に集中する傾向があるということである。
私は『サラリーマンの本質』をこう書き出している。
「私が管理職になった時に、いの一番にきづいたことがある。それは、『トラブルは、同じ組織と人に集中している』ということであった。」

 

それでは、なぜトラブルや悪いことが同じ人や組織に集中するのであろうか?
詳細は『サラリーマンの本質』を参考にしていただきたいが、結論から言うと、「そういう体質」を持っているということなのである。
もう一歩突き進むと、それは、「どういう体質なのだろうか? 」
一つの課題、問題、やるべきことに「区切り」をつけれないという体質なのである。
もっと言うと、絶えず問題、課題、やるべきことを同時並行で進めるという体質なのである。

 

だから、一つの問題のカタをつけれないうちに、次の問題が押し寄せてきてしまうのである。
言葉の意味をよく考えてもらいたい。
「泣きっ面に蜂」でも「泣きっ面に熊ん蜂」でも構わないが、この言葉は、悪いことが「重なる」ということを言っている。
この「重なっている」という意味をかみしめてもらいたい。
そう考えると、重ならないようにすればいいのではないだろうか。
それが、私が言っている1つの仕事への「区切り」なのである。
これを『サラリーマンの本質』では、「手離れ」と呼んでいる。
そして、どうすれば「区切り」「手離れ」できるかも記載したつもりなので、参考にしていただきたい。

 

さて、この「体質」の問題というのは、実は、結構やっかいな問題である。
ここでもことわっておくが、問題を同時並行で進める人は、能力的に劣っているとかそういう話ではない。
そういう癖なのである。
そして、その癖や体質は、サラリーマンになるずっと以前から、個人が生育過程において身に付けたものなのである。
だがら、直すのがやっかいな難しい問題なのである。
しかし、ここがサラリーマンの仕事のやり方の「入り口部分」になっていることは間違いがないと思う。

 

サラリーマンは、一つの仕事の「区切り」「手離れ」ができるようになると、ぐっと楽にものごとが運んでいく。
そして、この感覚を自分でもつかめたと思ったら、次には、「完璧主義よりも完結主義」が大事なことに気づいていく。
ここまでいったら、仕事のやり方で悩むことはないはずだ。
それから先は、あなた自身が自分の行く手を決めればいいと考えている。

 

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第一議題「『ビンチのあとにピンチが来る』組織の考察」

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

焼け石にお湯

これもサラリーマン生活では、よくある現象の一つである。
一生懸命頑張っているサラリーマンには大変申し訳ないが、こういう現象は結構起きる。
かく言う私も経験者であるのでご勘弁願いたい。
それは、どういう場合か?
大きな失敗や損失のあとの「取り返し僅か」という現象である。

 

たとえば、あなたが営業部に所属していたとする。
時々、大きな契約を落としたことがないだろうか? 私もある。
そのために、組織をあげての騒ぎになるのだが、ここは日本のサラリーマンは真面目である。必ず他で埋めようと考える。
すなわち、取り返しに向かう。
その意気込みで確かに契約は取っていくのだが、なにぶん少額すぎて、とてもとても、大口契約が抜けた穴を埋めきれないといった現象が起きる。
「焼け石に水」と言いたいところだが、自分でとても穴を埋め切れなかったと思うとき、感覚として「焼け石にお湯」となる。
また、あなたの部下が、大きな契約を落としたあと、明るい顔で「新しい契約取れました」と穴埋め報告をしに来たときに、あなたは、「ありがとう。頑張ったね」と言いたいが、あまりにも穴を埋め切れていないことを実感するときに「焼け石にお湯」という感覚になる。
問題は、どうしてこういう現象が起きるかである。ここが肝心なのである。

 

ここを日本のサラリーマン社会は、「既存顧客のメンテナンスが足りなかった」で片づけてしまう。
それで、片づけてもらっては困るのである。
それでは、営業社員のダメージしか残らないのである。
そして、それはそうかもしれないが、なぜ「既存顧客のメンテナンスが足りなかった」に至る原因解析が必要なのである。
その理由はシンプルだ。
会社が、上司が、「新規、新規」と言うから、既存顧客対応が甘くなったのである。
そして、なにか既存顧客の相手をすることが悪いことのように思えたから甘くなったのである。

 

ズバリ言う。厳しい言い方になるけれど、辛抱していただきたい。
会社や上司、そしてあなたの「営業のやり方」が間違っていたからこういう現象が起きたのである。
考えてもらいたい。
会社や上司は、「新規、新規」というけれど、そんな天から降ったように新規契約と言うものは簡単に取れるものであろうか?
難しいのである。また、労力の割に成果が上がらないものなのである。
ここを理解する必要がある。
そうすると、新規はどこから取るのであろうか?
答えは、既存顧客を軸として取るのである。
そうすれば、既存顧客のメンテナンスができた上で、新規契約を取ることができるのである。
これが、「営業のやり方」なのである。

 

詳細説明は、『サラリーマンの本質 』に記載しているので省くが、実は、この点も、『サラリーマンの本質』の大きな柱になっている。
すなわち、どの会社でも営業、営業と言うけれど、「営業のやり方」は誰からも教わっていないのである。
かく言う私も、長いサラリーマン生活を経験したが、誰からも「営業のやり方」を教わったことがなかった。
こんなことを言うと、「それは、おまえの甘えだ。そんなこと自分で覚えろ」と言う人が必ずいるが、そういう問題ではないのである。
なぜならば、普段は会社も上司も、「効率、効率」と言うではないか。
なぜ、そんなに「効率、効率」というくせに、営業の効率的なやり方を言わないのであろうか?

 

もし、あなたが営業部門に所属して、自信をなくして悩んでいたとしたならば、心配することはない。
誰からも「営業のやり方」を教わっていないのであるから、わからなくて当たり前なのである。
「自分は営業に向いていないのだろうか」とか、「もしかして、オレは、能力が低いのではないだろうか」と悩む必要はまったくない。
そういう次元の話ではないのだ。ただ、「営業にやり方」を知らないというだけの話である。
そして、実は、教える方もわかっていないのである。だから安心していただきたい。

 

しかし、営業には、「セオリー」がある。
この「営業」という概念を正しく理解していないと、必ず、成果は出ない!
逆に言うと、この「営業」という概念を正しく理解すると、それだけで、成果は出る。
私は、『サラリーマンの本質』の中で、「営業とは、『目標』と『見込み』の『差』を埋める行動」と定義している。
この意味を何度も読み返し、実感したときに、あなたは営業の達人になれる。
すなわち、「差」を埋める行動に出るのである。

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第六議題「営業の本質」

 

 

 

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サラリーマンの本質

 

 

 

サラリーマン社会は「楽あれば楽あり 苦あれば苦あり」

サラリーマン社会は「ピンチのあとにピンチあり チャンスのあとにチャンスあり」の世界であると述べたが、「楽あれば楽あり 苦あれば苦あり」の世界でもある。

 

「ピンチのあとにビンチが来る」人や組織と同様に、「苦あれば苦あり」の人や組織は、どこまでいっても「苦」から脱出できない。
また、「苦」の連続の人や組織が苦しんだ挙句に、成果を上げているのかというと決してそんなことはない。
毎月毎月、売上に苦しんでいたりする。
むしろ、成果を確実に上げているのは、「楽あれば楽あり」の人や組織の方なのである。
そして、当然のことながら、「苦あれば苦あり」の人や組織は、毎日毎日残業を繰り返し、精神的にも肉体的にもヘトヘトになっている。

 

いったい、なんなんだろう? どうしてなんだろう?
これが、『サラリーマンの本質』の原点になっている。
ズバリ、結論だけを言う。
それは、仕事の進め方にある。問題、課題、やるべきことを同時並行で進める人や組織は、必ず「ピンチのあとにピンチが来る」「苦あれば苦あり」の状態に陥る。
すなわち、問題や課題を同時並行で進めるということは、仕事の「区切り」をつけられないことを示している。
そして、注目すべきは、こういった人や組織は、簡単ですぐにでも片づけられるものも、同時並行群の中に入れているのである。
怖いことに、この簡単なものも、片づけないと大きな問題に昇格していく。
これでは、精神的にもまいってしまうわけである。

 

この問題を解決する方法は一つ。
私は、『サラリーマンの本質』の中で次のように提唱している。
世に言われていることとは異なり、重要な問題から手を付けるのではなく、簡単な問題から手を付けるのである。
まず、簡単なことを片づけてしまうのである。
簡単なものでも、仕事は仕事である。早く、簡単なものから、仕事の「区切り」をつけていくのである。そして、手を離していくのである。
私は、この手を離すという動作を、文字通り「手離れ」と呼んでいる。
言い替えると一つ一つの仕事を、完結していくことでもある。
こうすれば、絶対に、負の循環、悪循環から脱出できる。
ぜひ、試してもらいたい。

 

そして、着目してもらいたいことは、「仕事の進め方」というものは、人や組織が持っている体質そのものなのだ。
「ピンチのあとにピンチが来る」「苦あれば苦あり」の人や組織は、問題、課題を同時並行で進める体質を持っているということなのである。
そして、体質改善は、難しいことを言っても、進まない。
「簡単なものから手を付け、片づける」という動作を繰り返していけば、必ず体質改善が進む。
そしてピンチ、苦の連続から脱出できる。

 

私たちは、普段、こんなことを言ってはいないだろうか。
「いいよな、あいつはいつも早く帰れるし」「いいよな、あの部は、いつも成績がよくて」
これからは、そんな言葉が思わず口に出そうになった時に、その人と自分を、その部や課と自分が所属している組織の「仕事の進め方」が、どこがどのように違うのか考えてもらいたい。
自分や自分が所属している組織が、問題を同時並行で進めていないか、考えてもらいたい。
そこに、「苦あれば苦あり」の「出口」があるのである。

 

 

 

(参考)『サラリーマンの本質』第一議題「『ピンチのあとにピンチが来る』組織の考察

 

 

 

 

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ピンチのあとにピンチあり!

サラリーマン社会の「ことわざ」は世に言われていることとは、だいぶ違う。
むしろ、世に言われていることとは逆になる場合が多い。
その典型が、世に言われている「ピンチのあとにチャンスあり チャンスのあとにピンチあり」である。
実は私自身、幼かった頃によく母から聞かされた。 なるほど、当時プロ野球を見ていると、私の大好きなチームがピンチを凌いでいたら、一転チャンスが訪れたかと思えば、今度は、チャンスのあとに急に雲行きがおかしくなることが多かった。 私はその時、「ああ母の言っていたことは、このことなんだな」と深く納得していた。

 

ところが、サラリーマン社会では、そうはならないのである。
サラリーマン社会では、「ピンチのあとにピンチあり チャンスのあとにチャンスあり」となるのである。
ピンチが到来する組織や人は、いつまで経ってもピンチしか来ない。ピンチから脱出できない。 逆にチャンスが来る組織や人は、次々にチャンスが訪れるのである。
不思議な現象である。

 

その原因はなんだろうか?
それは、組織や人の「体質」と密接に関係する。組織や人の仕事の「進め方」と関係する。
問題や課題を区切りなく、同時並列で進める組織や人には、ピンチのあとにピンチが来る。
つまり、問題数や課題の数を減らさないうちに、また次なる問題や課題が発生し、収拾がつかない事態となる。
また、当初やさしかった問題や課題も、解決という区切りをつけなかったために、その難易度を上げる。
一方、チャンスが訪れる組織や人は、「問題区切り型」である。 1つずつ、問題、課題を終了まで持っていく。
そんな組織や人には、問題、課題を片づけているうちに、一瞬、問題や課題がなくなる瞬間が訪れる。
それは、ゲームセンターの「モグラたたき」で、ポンポンとモグラを叩いているうちに、新たなモグラの出現を待つ感覚に似ている。
そして、そんな組織や人は、この一瞬の時間を無駄にはしない。 普段できなかったことに手をつけたり、組織のコミュニケーションを強化したり、あるいは、整理の時間として活用する。
ここでの行動がやがて効いてくる。 それは、さらに態勢整えて業務に向かうことになるからだ。
こんな組織や人には、また、チャンスが到来するのである。

 

 

ここで考えなくてはならないことは、世のビジネス書は、成功するための方法を指し示していることだ。
それも非常に重要なことだと思うが、残念ながら、ピンチや苦境に陥っている人や組織をいかにして救うかということには力点がおかれていない。
この現実に苦しんでいる人や組織をいかに救うかということを、『サラリーマンの本質 』の原点とした。
『サラリーマンの本質』の帯にもなっているのが、世の中は「チャンスのあとにチャンスあり!ピンチのあとにピンチあり!」である。
そして第一議題をまるまる「『ピンチのあとにピンチが来る』組織の考察」に割いている。

 

 

 

 

 

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