『浅草のおかあさん』の舞台㉙「松喜」の肉で締める大晦日

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「松喜」の肉で締める大晦日

 

大晦日の浅草は賑やかで華やかである。昼から「雷門」の大提灯の前は人でごった返し、その黒山は年賀の飾りつけを済ませた仲見世へと続く。

 

 

だが、「雷門」から、通りの向かいを見ると、長い列が横丁に入り込んでまで続いている店がある。
その店は精肉店の「松喜」だ。

 

この列に並ぶ人を見ると、いかにも普段着といった格好をしている。それもそのはず、浅草の人が大晦日と正月に家で食べるすき焼きの肉を買っている姿だからである。

 

 

「松喜」の大晦日の肉には、「この日まで来られた」という自分たちへの労いと、「来年も商売を続けられますように」という願いがある。

 

 

浅草の男たちはつくづく幸せ者である。
そんな亭主の前に、大晦日、浅草のおかあさんたちはひと言も言わず、すき焼きなべを置いてくれる。
そこには寒風の中、一時間以上も並んで買った「松喜」の肉が入っている。

 

 

 

 

近日発売の
『浅草のおかあさん』第29話 「松喜」の肉で締める大晦日  から

 

 

 

『浅草のおかあさん』目次
『浅草のおかあさん』の舞台を訪ねて(画像)

 

 

 

「松喜」前の行列

 

 

 

 

2018年1月4日