第18話 遠足の切り札「志乃多寿司」

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遠足の切り札「志乃多寿司」

 

『浅草のおかあさん』第18話 遠足の切り札「志乃多寿司」  から

 

 

おかあさんたちは、子供が遠足に行くともなれば、「志乃多寿司」に予約をしておき、その日の朝、取りに行った。
「志乃多寿司」は雷門仲通りにあり、いまでも健在である。ラーメンの「馬賊」の向かいといえば、わかる人が多いと思う。
寿司というと、いろいろな種類の詰め合わせをイメージするが、「志乃多寿司」には、かんぴょう巻きといなり寿司しかない。
折りも、かんぴょう巻き4個、いなり寿司4個が基本だ。それで明治十年からこの地で、味と、おなじみの山吹色と緑色の模様が入った包装紙を変えることなく営業を続けている。よほど浅草っ子と相性のいい店といえる。

 

 

遠足に、おかあさんは「志乃多寿司」と一緒にバナナを持たせてくれた。
バナナは値段がほとんど変わっていない。ということは、バナナは当時ものすごく高価だったいうことになる。
そんな高価なバナナを持たせてくれたおかあさんのことを考え、胸が熱くなった。
おかあさんは、思っていることを口に出す人ではなかった。
「せっかくの遠足だから存分に楽しんでおいで」という声が、いま、聞こえきた。

 

 

『浅草のおかあさん』目次

「浅草のおかあさんの舞台を訪ねて」(画像集)

 

 

 

おかあさんたちは、遠足に「志乃多寿司」の、のり巻きといなりを持たせてくれた。

 

 

 

浅草に「浅草のおかあさん」と呼ばれた女性がいました

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2018年1月4日