『年末の一日・浅草公園』

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年末の一日・浅草公園 他十七篇 (岩波文庫) 年末の一日・浅草公園 他十七篇 (岩波文庫)
芥川 竜之介

岩波書店 2017-06-17

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『浅草公園』は日本のレーゼシナリオの代表作品に挙げられている。レーゼシナリオは、映画脚本(シナリオ)の形式で書かれた文学作品で、レーゼドラマの一種と言われている。
これだけでも十分にわかりにくいが、この小説は、映画のようにいくつかのシーンがつながっていると考えるとわかりやすい。

 

それゆえ、各シーンには「柱」がある。
「柱」は舞台となる場所を指し示すもので、カメラを置く場所(撮影場所)と考えればわかりやすいと言われている。

 

だから、この小説は、
1 浅草の仁王門の中に吊った、火のともらない大提灯。
2 雷門から縦に見た仲店。
3 仲店の片側。
といったように、まず場所が示される。

 

そう理解すると、
4 こういう親子の上半身。
66 斜めに上から見おろしたベンチ。 もカメラからの視点ということで理解できる。

 

この小説は難解なので、ちょっと、解説の力を借りよう。解説には次のように書かれている。
「浅草公園で父と逸れ、不安に揺れる少年の心情を、浅草公園の風景の断片と重ね合わせて、短いショットを連続させるスタイルを採る。猥雑なエネルギーを孕む浅草公園の風景は、谷崎潤一郎や室生犀星が好んで取り上げたが、押し寄せる不定形の現実に、芥川が晩年に採用した方法の一つは、『年末の一日』の『詩に近い』『純粋な小説』『「話」のない小説』とともに、イメージの断片を繋ぎ合わせ、それを集積する方法であった」

 

みなさんがこの小説を読めば、きっと得体のしれない不気味さを感じるだろう。
それこそが著者の狙いだったということだ。見事にシナリオが功を奏したということになる。

 

 

年末の一日・浅草公園 他十七篇 (岩波文庫)

 

 

 

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